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 しかも不良なんて、今までの不良間のいざこざならなんとか金でもみ消してたみたいだけど、さすがに今回の、いろんな企業の子息相手に対する暴力をもみ消すことはできないだろうから、そのうち警察がやってくるだろう。

 逮捕するーってな。


 不良の家って、この学園では中流階級だし。
 ……まあ、訴えられるのは不良だけじゃなくて、生徒会連中も同じだけどな!

 あいつらは上流階級の家柄だから、たとえ訴訟は金でなんとかできるとしても、信用とかそういう人の心に左右されるものは金じゃどうにもなんねえ。

 きっと跡継ぎを外されて絶望してる間もなく、能力がなく不正ばかりしてる家は経営が傾いていくだろ。

 反対に地位を守ってる家は、すぐにでも絶縁するはずだ。

 たとえ絶縁とまでいかなくても、家の人間からは軽蔑されながら生きていくことになると思う。

 少し憐れだとは思うけど、やっぱり全部身から出た錆。

 ……あいつらは、もっと自分たちの立場って言うものを理解しておくべきだったんだ。


 さて……と、俺は早速携帯を取り出して、家に電話をかける。
 歩きながら電話をかけ始めた俺に、隣に立ってる青が首を傾げてるのがわかった。

「誰にかけてるのー?」

「ん? ああ、家だよ、家。あ、もしもし、俺、深海だけど、ちょっと調べてほしいことあるんだ。うん。えっと、生嶋愛伊っていうやつのことなんだけど――」

 そう言って、俺は愛伊について調べさせた。

 だってなぁ、愛伊の周りのことも調べとかないと、いざあいつをどっか外国に売り飛ばすってなった時、もし結構な大企業が実家だったらどうするのさ。色々話つけんのめんどくさいじゃん。

 道じゃないけど、やるなら徹底的に、だろ?

 ……なんて、道だったら問答無用で外国の知り合いのところに売り飛ばしそうだけど。あいつ、どっかのサディストと知り合いだって言ってたし。

 調べ終わったら、俺のパソコンにメールするように伝え、電話を切った。

「よし、じゃあ先にシャワー浴びような」

 そう言って、また青と並んで、自室へと歩き出した。

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