それまでの甘い空気を吹き飛ばして、先輩が呆れたように俺に言う。それでも先輩はぐいぐいと引っ張るのをやめようとしなくて、俺は涙目のまま。

「ひっ!? なっ、なに!」

 ぐいぐいと引かれていた俺は、突然走った刺激に、目を見開いた。

 刺激の元……下のほうに視線を向ければ、そこでは相馬先輩が膝を俺の、言いたくないけど痛みと苦しさで少し勃ちあがっていたものを押さえつけるようにしてついていた。

「ああ、わりぃ。動いたら当たっちまったんだ」

「ぅえっ、あ、やっ……ぁっ」

「悪いなァ。一番膝をつきやすいところ探してんだけど、中々見つかんなくてな。……あ? どうしたんだよ。なんで勃ってんだ、羽衣」

 そんなこと言われても……!

 理不尽なことを言われ、蔑むみたいに睨まれて俺は完全に勃起してしまった。うう、最悪だー。

「おい、完勃ちしてんじゃねえか。……お前、まじで変態だなァ」

「あっ、や! ぅぁっ、ぅ」

「ははっ、やべぇな、その顔。おら、もっと泣けよ」

「ひぐっ、ぅっ、ぁあ!? いっ、たぁ……っ! あ!」

 ぐりぐりと膝で強く押されながら、さっき噛み痕を散々つけられたところを手できつく抓られる。

 あまりにも痛くて、俺は思いっきり泣き叫んだ。

 それでも相馬先輩はやめてくれなくて、むしろ楽しそうな顔をして、足はそのままに俺の胸元に顔を寄せ、そのまま乳首を思いっきり噛んだ。

「――っいぁああ! たぁっ、痛いぃっ!」

 ぎりぎりと噛みつかれ、痛みのあまり叫び声を上げる。

 それでも先輩はやめてくれないし、相変わらず足で刺激されてる。

「ああぁっ、あっ……うぇぇーっ」

「あーあ、イッちまったなぁ」

「ぅぁ、ひっ……ふえぇー、ぇぐっ」

「羽衣、そんなに泣くんじゃねえよ。……もっといじめたくなんだろ?」

 痛すぎるのは嫌いだったはずなのに、先輩にはどれほど痛いことされても気持ち良くなってしまう自分に、思わず涙が出てしまって、俺は泣き叫び始めた。

 そんな俺に向かって、ギラギラと目を光らせながらそんなことを言う相馬先輩。

 危ない視線に、泣きながらもドキドキする俺ってほんとどうしようもないよね。

「ぅぇえっ、ひっ、ぐすっ……だ、ってぇ」

「あー、もうまじ可愛いなお前。……仕方ねえ。可愛いお前に免じて、これからを選ばせてやるよ」

「えっ? な、に?」

「やさしく甘やかされんのと、痛くて気持ちいいの、どっちがいい?」

 なにその選択!? 俺はぱちくりと瞬きをする。

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