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お尻の穴を舐められるなんてあの一回だけでいいよ。
僕が告げると狗牙は不服そうな顔。そんなに舐めたいのかお前。
「で、あるの? ないの? 舐めたいからって嘘ついたら許さないからね」
「……ちょっと待ってろ」
狗牙は仮眠室にある棚の中から軟膏を取ってきた。よしよし、いい子。
「ん、っぁ……狗牙」
「っ、ふ……」
狗牙がほぐしやすいように、僕はベッドに寝転がる。
軟膏を使って、僕の後ろを慣らし始めた狗牙。
僕は狗牙の頭を引きよせて、口に噛みついた。
それに答えるようにして、狗牙が舌を入れてくる。口内を舌で舐めつくされ、さすがに息も絶え絶え。
それでも僕は狗牙が後ろを丹念にならしてくれている最中、狗牙と舌をからませ合った。
「……ん、ふあぁ、ぁっ」
「道、ここがいいのか」
「ひぅ、ちょっと、んあっ、待っ……っ」
これがあれだ、前立腺っていうやつ。
今まで感じたこともない快感に、僕は身体をびくびくと震わせた。
そんな僕を見て、狗牙の目がギラギラと不穏に輝く。……あ、やばいかも。
狗牙がセックスの時にリードを握りたいのはわかってるから、多分僕の反応は狗牙に調子づかせた。
でも、僕の身体は言うことを聞いてくれない。
狗牙は、僕の制止も聞かず、前立腺を嬲り始めた。……後で覚えておいてね狗牙。
「っあ、ぁ……や、め、んうぅ! はぁんっ」
「道、可愛い……ん」
「んふぅ、んん、はふ……っ」
ぐりぐりと前立腺を嬲りながら、狗牙は僕の口を貪る。
僕は前立腺を弄られる快感に、不本意ながら涙目だ。
止めようにも身体の言うことは聞かないし、口は狗牙に塞がれてるからどうしようもない。
次第に、前立腺を嬲っていた動きが、前立腺を擦りあげながら奥を指で突き上げると言う動きに変わっていった。
「ああ! や、だ、めぇ……こ、がぁっ、んあぁ」
「はっ、道……」
立場逆転もいいとこだよ。いつもは僕が狗牙のことをいじめて楽しんでるのに。
僕は過ぎる快感のせいで生理的な涙を流していた。
その涙を狗牙がおいしそうに舐めとり、そのまままた口づけてくる。
さすがにもう限界だった。
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