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「――いい子だからそんな顔しないの。ね、狗牙」

「っ!? み、道……っ!」

「ふふ、すぐに考えなくなるよ、ぶりっこのことなんて」

 だって、やつはすぐにいなくなるんだから。

 いない人間のことを考えても仕方ないでしょ?

 名を初めて呼んでやったことで興奮したのか、勃たせた狗牙が僕を欲に濡れた目で見てくるのを、僕は笑って見る。

 まるで待てをしてる犬みたい。

 僕は狗牙に向かって手を差し出して。

「いいよ、おいで。……狗牙」

「道……」

 ここが生徒会室だとか、そんなことは置いといて。多分ぶりっこも生徒会も来ないだろうし。

 狗牙は僕を抱き上げると、生徒会室にある仮眠室のほうに歩きだした。

 あ、そういう分別はつくんだ。

 ちょっとびっくりした僕だけど、狗牙は、「お前のエロい姿を俺以外が見るなんていやだ」と言っていたから納得した。

 見られなかったらあそこでしたのか、ということは言わなかった。

 仮眠室のベッドにイヌは僕のことを寝かせようとしたけど、僕はそれを遮り、反対にイヌをベッドに寝かせる。

 イヌは夜は攻めたい派らしいけど、イヌの思い通りにするなんていやだから。

 僕はイヌに伸しかかり、服のボタンを外し、服をゆっくりと脱がした。

 そしてイヌの首筋とか胸元に舌を這わせる。

 もちろんイヌが気持ちいいように思いっきり噛みついたりもしたけど。

「ん、ふ……気持ちいい?」

「っああ、俺もしたい……させろよ、道」

「ふふ、まだだめ。いい子にしてな」

 僕の言葉に悔しそうな顔をする狗牙。

 僕の身体を舐めたくて仕方がないらしい。

 僕はそんな狗牙を無視して、狗牙の身体に僕の痕をつけた。


 そうしているうちに狗牙は堪え切れなくなったのか、僕の下からはい出そうとしてきた。

 体格差があるから、狗牙は普通に出れてしまうだろう。

 でも、僕は言ったよね? まだだめ、って。

 僕ははい出そうとしている狗牙の首輪を引いて、反対の手で髪の毛を鷲掴みにして引っ張った。

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