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 ミュージカル『刀剣乱舞』〜三百年の子守唄〜

昨日、ミュージカル『刀剣乱舞』〜三百年の子守唄〜が千穐楽を迎えました。
実はその千穐楽のライブビューイングに参加して来ました。
その感想等を書き綴って行こうと思っています。
長文な上に、下部にはネタバレを含みます。

まずは、ざっとしたあらすじから。

にっかり青江と大倶利伽羅は遠征から帰還する途中に、岡崎城が時間遡行軍によって襲撃されているのを目撃し、出撃する。
だが、彼らが到着した時には松平家の家臣は時間遡行軍に殺されてしまっていた。
そして、にっかり青江はある男性から最期に赤子を託される。
一方、石切丸は遠征先で彼らが消息を絶ったことを聞かされる。
石切丸を隊長にし、物吉貞宗、蜻蛉切、そして千子村正は、彼らを助けるべく出陣する。
無事に合流出来たが、物吉貞宗はにっかり青江の腕に抱かれていた赤子に驚く。
託された赤子は、実は徳川家康だった。
家臣達が殺されてしまったことで歴史は修正されてしまったと思ったが、徳川家康が生きている。
そして石切丸は、刀剣男士の自分達が家臣に成り代わり、この赤子を育て上げようと提案する。
そこから物語は動き出します。

個人の感想ではありますが、このミュージカル本当に見て良かったと心から思っています。
推しが出ていたから見ようというのがきっかけでしたが、本当に良かった。
物語の終盤、本当に泣きそうになった。
危なかったです。
いまでも終盤の事を思い出せば涙が溢れそうになるくらい、素敵な物語でした。
2部は、禊からファンサまで会場が揺れるくらいの悲鳴で凄かった。
自分もちょっと叫びました。
画面越しではありますが、ドアップで大倶利伽羅からファンサ貰える日が来るなんて思ってもみませんでした。
翌日若干腕が痛かったのは良い思い出。
軽い気持ちでミュージカルを見に行きましたが本当に行って良かったです。
どうりで連日Twitterにレポが上がるわけだ…。
1回のライブビューイングしか経験していませんが、みほとせロスになってます。
早く円盤が欲しい…!
そして次回作、らぶフェスにも参戦したいと思ってしまいました。
刀剣男士を演じた役者さん、アンサンブルの皆さん、脚本・演出の皆さん、ミュージカルに関わったすべてのスタッフさんに感謝致します。
本当にありがとうございました。
最高の時間をありがとうございます。



ここから先はネタバレになるのでご注意を!









あらかじめお伝えしますが、相当長くなりますので悪しからず…。
そしてうろ覚えな点が多々ありますので、正しくない所もあると思います。


まず誰が誰に成り代わったのか整理します。

服部半蔵→石切丸
酒井忠次→にっかり青江
井伊直政→千子村正
本多忠勝→蜻蛉切
鳥居元忠→物吉貞宗
榊原康政→大倶利伽羅

ミュを観劇する前に事前にテレビ番組やwikiなどでザックリですが、調べておいて本当に良かったと思いました。


この物語は、刀剣男士の苦悩と葛藤、心と感情の物語だと思いました。

特に強く感じたのは石切丸の葛藤です。
石切丸が成り代わった服部半蔵は、後の徳川家康の長男、信康の切腹の介錯をしたと言われています。
御神刀として多くの人々の願いを聞いてきた彼だからこそ、時間遡行軍ではなく、人を斬ることへの苦悩。
しかも、今まで本当の家族のように過ごしてきた人を手に掛けなければならない。
人と長く寄り添っていたからこそ、いざ刀を握り信康を目の前にして「斬れない」と言った。
その苦悩と葛藤が丁寧に描かれていました。
何故彼が、徳川四天王のブレインでもある酒井忠次でないのだろうと思ったのですが、石切丸はあえて服部半蔵を選んだんだと思います。
きっとこの日が来ることはわかっていた。
でも、やれるのは自分しかいない。
そう思ってこの役割をかって出たのかなと思っています。

にっかり青江は、まず一目見た時に「本物だ」と思いました。
本物のにっかり青江なんか見たことないのに思いました。
これは一旦置いときます。
彼が、赤子を抱いた感想が刀らしいと思いました。
あと扱いがわからないのか乳母車をポーンと押す仕草とかも。
それでも、長い間を徳川家康と関わり少しずつ心を知っていく青江。
石切丸の葛藤を知り、物吉くんに「心のことだよ。あまり無理をしてしまうと壊れてしまうんだって」と言うのも、乳母車を雑に押していた彼からは想像つきませんでした。
人の心を理解し、寄り添うって難しい。
それでも彼は一緒に辛いことを分かち合おうとするのは素敵だと思いました。
徳川家康の最期を涙しながら見送る物吉くんに対して「笑いなよ、物吉くん」というので、涙腺爆発しかけました。
家康の側で物吉くんの事を見守っていたからこそ出た言葉なのかもしれません。

村正は登場時からアクセル全開でぶっ飛んでるな!と思いましたが、物語の中盤から終盤に掛けて話が重たくなって行くの引き留めるような明るさに救われました。
彼の仕草の1つ1つが愛らしい。
と見せかけて、戦闘での狂人っぷりは最早ギャップと言うしかない。
石切丸が信康を介錯すると知った物吉くんに対して「アナタは幸運だけ運んでいれば良いんデス」と言って青江達を追いかける。
あれは彼にしか出来ない、言えない言葉だと思っています。
そして、村正は自分に掛けられたまるで呪いのような「妖刀」という言葉に捕らわれていて1人で葛藤しているのかなぁとも思いました。
一度付いてしまった印象は中々拭うことが出来ない。
彼が家康の事を「タヌキじじい」と言っていたように、彼にも「妖刀」という言葉がつきまとう。
でも「村正」は彼以外にも蜻蛉切がいる。
彼に掛けられた言葉で少しは救われたんだろうなぁと思っています。

蜻蛉切さんは、ゲームからそのまま飛び出したってくらい本物でした。
青江の時も言いましたが、本物なんて見たことないのに本物だって思いました。
彼が成り代わったのは前の主である、本多忠勝。
始め、彼はその事を「恐れ多い」と拒んでいた。
蜻蛉切さんの言いたいことはなんとなくわかります。
自分が偉大で尊敬する人に成り代わってと言われても無理です。
彼が言ったように恐れ多い。
でも、物吉くんはそんな蜻蛉切さんを叱咤激励する。
姉川の戦いで活躍し一躍有名になった本多忠勝が、今、ここで戦に出て活躍しないと歴史上には存在しなくなってしまう。
自分自身が尊敬する人の存在を消してしまう。
それに気づき、蜻蛉切さんは意を決して出陣する。
単騎で突入し荒々しく歌う彼が、自分には本多忠勝のように見えました。
そして、先ほど書きましたが村正へ掛けた言葉。
「俺も村正だ。妖刀伝説をお前1人だけに背負わせるわけにはいなかい」
その言葉は、村正を救ったと本当に思います。

物吉くんは、天真爛漫なのかなと思っていましたが予想以上に喜怒哀楽があるなぁと思いました。
家康に再び使える事が出来て喜んだり、決断出来ない蜻蛉切さんの背中を押すように怒ったり、信康の最期を受け入れられないと思ったり。
本当に表情がコロコロ変わるなぁという印象がありました。
彼が辛く悲しい思いをした時は「笑顔が一番ですよ!」と励まして、剣術は物吉くんが教えたり、戦の時もずっと側にいた。
そして家康は最期を迎える。
この時もずっと彼に寄り添うように物吉くんは側にいた。
彼が最期を迎えると彼は初めて涙する。
この時の物吉くんの表情が本当に切なくて切なくて仕方なかった。
いつも笑顔の彼が泣く。
青江が「笑いなよ、物吉くん」と声を掛け、彼は応えるように笑う。
この時の笑顔が、涙を止めようと無理しながら笑う演技が本当に見ててこっちも辛くなった。
そして、息を引き取った家康に言った「よく生きられましたね。おやすみなさい」という台詞も凄かった。
付喪神だから言えることでもあるし、不幸な人生と言われた彼の人生を全肯定する言葉だったと思います。

大倶利伽羅は感情に葛藤していたと思います。
彼が榊原康政に成り代わり過ごした中で、農民だった吾兵と出会う。
彼の剣術の稽古や生き様を通して「人の感情」を知る。
そして、彼との辛く悲しい別れが訪れる。
大倶利伽羅を師のように慕う吾兵を亡くし、その時言った「だから慣れ合いたくなかったんだ」。
物の時は何も思わなかったけれど、刀剣男士になってから感情が邪魔だと言った。
彼にとって最低限の慣れ合いしか望まないのは「喪失感」が怖い事もあるのかなと思いました。
楽しい思い出も楽しんだ分だけ、喪った時の心の痛みも大きくなる。
喪った時が辛いから、嫌だから、怖いから、後悔するから。
こんな思いしてしまうのなら、最初から慣れ合わないほうが良いと考えてるのでは?とより一層強く思うようになりました。
歌仙が大倶利伽羅の事を「いじけた子犬」と例えていたけれど、案外当たっているのかもしれない。
物語の本当の最後。
石切丸が書き留めた手記を拾い読みする大倶利伽羅。
そして、最後に彼は微笑む。
自分でも何で笑ったのかわからないのか驚く姿を見て、もう色々ダメになりました。


1度しか見てない事と、まだ物語を咀嚼出来ていない部分が大半です。
長時間のミュージカルの内容を1回で理解するなんて無理です。
きっと見れば見るほど、疑問点が増えるかもしれない。
それでも、また見たい。
彼らの物語を堪能したい。
円盤購入確定。

これにてレポは終了。
2部に関しては恥ずかしながら、大倶利伽羅のファンサを受けてからあまり記憶がないので書きません。
もしかしたら、覚えている所はちまちま更新しているかもしれませんが…。

本当に楽しかったです。
改めてではありますが、ミュージカルに関わったすべての人に感謝致します。
本当にありがとうございます。


comment:(0)
2017/04/24 (22:00)
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