放課後に音楽を聞きながら烈の練習を見るのが好きだった。バスケをしてるときの烈はきらきらしていて、いつも悪態を吐く烈とは別人みたいだった。そんなきらきらしてる烈を見てるとこっちも頑張れそうな気がしたし、勇気を貰えるのだ。そんな烈は、必ず凄く嫌そうに「帰れや」と休憩時間に言いに来る。そして、今も私の隣に座ってスポーツドリンクを飲みながら「また来てんのか、暇人」と言った。



「はよ、帰れや」

「まだ練習やるやろ?なら最後まで見届けなあかん」

「いや、可笑しいやろ。部員でもないのに」



そう言いながら私のiPodを横から奪い取りイヤホンを自分の耳につける。「お前がこんな恋愛の曲聞くなんて珍しいやん」「うん、最近聞いてるの」「…なんで?」「周りが彼氏作りはじめちゃってな、私もそろそろがんばらなあかん!思うて」そう伝えれば、烈は「ふーん」と何かを考えるようにどこかを見つめていた。ピーっとタイマーの音がなる。岸本君が烈を呼んだ。



「烈、休憩終わったみたいやで?行かんの?」

「行く」

「なら、早く行かな…」

「俺にしとけばええやんか」



烈はそう言って私の唇にキスをした。え、いま…何て…



「彼氏にすんなら、俺にしとけ」



そのあと、何もなかったかの様に烈は体育館に戻っていった。イヤホンからはタイミングよく『愛のことば』が流れていた。




拙すぎる愛の言葉






image song by 愛のことば/ス*ピ*ッ*ツ
(本当はフジファブの曲で!と思っていたのでしたが、スピッツになってました…フジファブ、大好きなのでまた改めて曲を使って小説書けたらな、とおもってます^^ボシさま、リクエストありがとうございました!更新遅くなってしまい申し訳ありません。これからも『ずるい。』をよろしくお願いします!)



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