ふわりと投げ出した体は、一定の速さで落下する。速さは変わらないのに、何故かスローモーションに見える景色が不思議に思えた。誰かが私の名前を叫ぶ声がする。聞き覚えのある声に涙が出た。泣くつもりなんて、無かったのに。ボロボロ溢れる涙に情けなくなる。優しく微笑み両親の顔、キラキラ輝く友達の声、そして、そして…



大好きだった、私の大切な人。



地上まで、あと5メートル程。私は今まで出会えた人に感謝をした。ありがとう、ありがとう。でも、私はもうすぐ居なくなります。ごめんなさい。
遂に地上まで、3メートル。頭には大好きな彼の笑顔。私はふと彼の名前を呼ぶ。…今度生まれてくるときも、貴方と出会えますように。今度こそは、幸せに、なれますように。




そんなことを思いながら、私は意識を手放した。



サヨナラ、世界
(弱虫なわたしを笑ってくれよ)








100827 兵太夫連載、始めました

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