「うわ」と声をあげると、隣の金色くんと目が合う。私は然り気無く、にこりと笑いまた鞄の中身を調べる。確かに昨日、英語の準備したのに…。あ、予習した時かー…。今から先生に自供しに行ったとしても間に合わないし…、どうしよ




「どないしたん?」

「え?」

「私、めっちゃ困ってまーすて顔してるで?自分」

「あ、いや…教科書忘れちゃったみたいで」



そう伝えると金色くんは「そうゆうことは、はよ言わなー」と笑顔で言って、「ちょっとまっとってな!」とウィンクをして教室を出ていってしまった。一氏くんが、こっちを凄く見てる。しかも無表情で。え、怖いんですけど…。ごめんなさい、ほんと金色くんと話してごめんなさい。金色くんの隣の席でごめ



「だだいまぁーなまえちゃん」

「お、お帰りなさい」

「先生まだ来とらん?」

「うん」

「そっかー、ならよかったわ。はい」




そう手渡されたのは英語の教科書。「謙也のやから変な落書きとかあるかもしれへんけど、堪忍してな」と金色くんは笑った。え、もしかしてわざわざ借りに行ってくれたのだろうか。




「あの、なんか…ごめん」

「えー!そこは謝るとこちゃうやろ?可愛い笑顔でありがとう言うとこやん?」

「あ、ありがとう」

「どういたしまして!」




金色くんがそう言うのと同時に、先生が教室に入ってきた。そして日直の号令と共に授業が始まる。…どうしよう、心臓がドキドキと早く動く。これはまた、別の意味で授業に集中できなさそうだ。





ごく純粋な侵略者でもって僕の平静は終わる








110328 一氏と居ないときの小春は只の秀才で優しいイケメンボーイでしょ


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