ついさっき友達と土屋について話をしていた。友達は土屋がめっちゃかっこいい！とゴリ推しだった。私はそんなに土屋のことも知らないから「でも、ちょっと話かけずらそうやん？背高いし。ちょっと苦手やな」と言った。その言葉に特に悪意は無かったのだが…それを誰かが聞いてたようで、伝えてしまったみたいだった。土屋、本人に。そして今、私は土屋を目の前に無言で突っ立っているという状況である。
「…」
「…」
土屋は今にも死んでしまいそうな顔をして、俯いていた。なんだこの状況は…。まるで私が苛めてるみたいじゃないか…、呼び出されたのこっちやっちゅーねん。
「あの、土屋くん？」
「…ぼくのこと、」
「あ、何？」
「苦手って、ほんまなん？」
「…」
この人確信ついてくるなー…。何も話さないと思ったら、いきなり確信付くってどないやねん。こうゆうの慣れてないから困る…いや、慣れてても嫌だが。そんなことを考えてると、また土屋が話し出す
「ほんま、なんやな…」
「いや、あのね」
「でもな、ぼくみょうじさんに苦手とか、思われたないねん…。めっちゃ我が侭言うてるのは分かってるけど、それでも…みょうじさんだけには嫌われたくない」
「つ、土屋くん落ちつ」
「みょうじさんのこと、好きやから」
「…」
「苦手とか、言わんといて…」
吃驚した。何がって、土屋の性格にだ。いや、告白にも驚いたのは確かだけど…こんなにストレートに物事言ったりするような人じゃないと思っていた。ストレートって言うか、純粋って言うか…。顔、めっちゃ赤いし。うわ、なんだこれ。なんだこれ。
「…みょうじさん、」
「何？」
「めっちゃ、顔赤いで」
「土屋くんに、言われたないよ」
「めっちゃ可愛い」
「…土屋くんに、言われた、ない」
「…」
「…」
少しの沈黙の後、土屋が「話聞いてくれて、ありがとう。わざわざごめんな」と頭を下げた。私は、そんな彼を見て「私こそ、何も知らんと苦手とか言って…ごめん」と謝る。
「あ、あと…さっき言うたの…忘れてくれてかまわへんから…」
「え」
「自分でも、理不尽なこと言うてるおもっとるし…。苦手なんは仕方ない、もんな…」
「あの、」
「だから、ほんまさっきのことは」
「私は！」
私はさっきの言葉を聞いて、苦手とは思わへんように、なったよ。確かに、何も知らんからなんとも言えへんけど…土屋のこと、知りたいって思う。
ぽろぽろと落ちていった言葉は、土屋にはしっかり届いたようで、土屋はやっぱり顔を赤くして「ありがとう！」と笑った。私も、つられて「どういたしまして」なんて言った。なにやこれ、意味分からん。
「と、とりあえず友達から始めよか」
「うん、そうしよ」
「じゃ、じゃぁ改めて…ぼくと、友達になってください」
そういって手を差し出す土屋は、告白の時よりも緊張してるようで、なんだかそれが凄く可笑しくて、私は笑いながら「よろこんで」と彼の手を握るのだ。
こそこそ、
(土屋とみょうじさん付き合いだしたらしいで！)(ほんまに？土屋良かったなー)
110306 悪口は言っちゃ駄目よー。うちの土屋はヘタレの大型犬的要素満載です。もうすぐ春ですし、春らしく爽やかな小説をかきたいと思って書いた結果がこれだよ^^^^