たまたま裏庭を通ると、神崎が一人で体育座りをして下を向いていた。男の子にしては、少し小さめの体をもっと縮こめて何をしてるんだろうか?私はゆっくり近づいて神崎に声をかけた。




「何やっての?」

「みょうじ…」

「一人なんて珍しいね。いつもの保護者とは一緒じゃないの?」

「知らん、あんな二人…」




そっぽを向きながらそんなこと言う神崎を見て、私はすぐに喧嘩したことに気がついた。神崎とは昔から仲がよくて、よく一緒に話をしてたが二人のことをこんな風に言うのは初めてだった。




「二人とも私のこと、嫌いなんだ」

「はぁ?」

「だから、私も二人のこと嫌いになるんだ。」





神崎からこんな言葉が出るなんて思いもしなかった。いつもニコニコして私に二人の良いところや楽しいところを自慢して、大好きなんだと笑う神崎が、こんなこと、言うなんて。私はなんだか悲しくなって、ぽろぽろと涙が出てしまった。そんな私を見て、神崎は驚いている。




「何で?どうして泣くんだ!」



理由を説明するのは凄く簡単なようで、凄く難しかった。今の気持ちを彼に伝えたい。でも、どんな風に言えばいいんだろう。二人は神崎のこと嫌いじゃないよ?そんな悲しいこと言わないで?どの言葉が良いのか一生懸命考えてると、神崎の後ろからいつもの聞き覚えのある声がした。





「あーあ、左門がみょうじちゃん泣かしてるー」

「な!違うぞ!ていうか、三之助話しかけてくるな!もう絶交だ!」

「おめぇ前も言ってたよな、左門」

「煩い、作なんて知らん!」

「次屋に、富松?」





「ごめんね、左門が意地悪した?」そういって神崎の隣に座って私の涙を拭う次屋。私は急いで、違うと弁解しようとしたが直ぐに富松が「こいつ女心とかわかんねぇから」と呆れたように言う。




「喧嘩、してたんじゃないの?」

「は?喧嘩なんてしてねぇよ」

「でも、神埼が…」

「なんか、勘違いしたんじゃない?」

「勘違いなんかじゃない!二人とも私を除け者にして町に行くって言ったじゃないか!私のこと嫌いだから、だから…!」

「馬鹿か…、んなはずねぇだろ。話まとまってからお前にも話すつもりだったんだよ」

「はい、勘違いの誤解とけましたー」





それを聞いて神埼は少しぽかんとしてから、なんだよー!と笑った。…なんだよじゃねぇよ。ふざけんな。






「私の涙返せ!利子つきで返せ!」

「か、勝手に泣いたのそっちだろ!」

「私の涙は高いんだよ!」

「まぁ、確かに可愛かったよね。なまえちゃんの泣き顔。そそられた」

「これが所謂ギャップ萌えってやつか」




そうニヤニヤしながら冷静に言う二人に苛立って仕方がない。絶対、あう度いわれるだろう。そう思いながらも、神崎の笑顔にはかえられないか。と感じてしまうあたり、私はお人よしなんだと思った。


ていうか、今の時代ギャップ萌えとかねぇし。富松、きもい。






破壊力は無限
(三人じゃなきゃ、だめでしょ)












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