ぽたぽたと降る雨に嫌気が差す。二人だけの教室は、いつもの教室とは違うみたいで凄く嫌いだ。雨のせいか、教室は寒くて書類をまとめる手が悴んで痛い。私は、書類を一まとめにするたびに窓の外をみる。時間はこんなにも過ぎ去るのが遅かっただろうか。




「ねぇ、」

「あ、なに?」

「外に何かあるの?」

「何もないよ?」

「じゃぁ、何で外見てるの?」

「特に、理由は…。あめ、見てたかな。沢山、ふってるから」




急に話しかけられて、黒木くんの方を見れば黙々と作業をしていた。私は彼が苦手だった。同じ学級委員なのに全然違う。彼は、クラスのみんなに信頼されて学級委員をやってるから、やっぱり責任感もある。それに比べて私は、押し付けられてやってる学級委員だから、やる気も出ないし頑張れもしない。仕事は仕方なしにやってる程度。雲泥の差である。ていうか、は組って言うのが苦手なのだ。笹山くんとか加藤くんとか、夢前くんとかの噂は良い噂を聞かない。何人の女の子が泣かされてきたのだろうか。そのトップとなると余計に…。





「そっか。みょうじさん、さっきから作業ひとつ終わるたびに外見てため息つくから、俺俺といるの凄くいやなのかなと思った」

「そんなこと、ないよ」

「ありがとう。でも、本当は好きじゃないよね?」

「なん、」

「俺はみょうじさんのこと好きだからそれくらいわかるんだよね」






まさかの告白に言葉が出ない。え、可笑しい。この人何言って、
そんなことを考えていると、黒木くんは自分の作業が終わったのかいつもの笑顔で私に「後はやっておくから先に長屋に戻って良いよ」と言った。私はさっきの告白もあり早く逃げ出したくなって、急いで長屋に戻る支度をして立ち上ると黒木くんが私の腕を掴んでこう言ったのだ






「なまえを落とす自信、あるから」







雨の日の魔物は、すぐ側に
(決して食べられないようにと、)











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