さっきから兵太夫に唇をつかまれてから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。晩御飯は終わってしまったのだろうか。今日は唐揚げだって、おばちゃん言ってたな。食べたかったな…おばちゃんの唐揚げ。嗚呼、最後にあの清々しいおばちゃんの笑顔に会いたかったよ。




「ねぇ、何考えてんの?」

「定食のこと」

「こんなことされてるのに、そんなこと考えるなんて、本当に馬鹿だね」




「僕の事だけ考えてよ」と言って、兵太夫は私の唇をつかんでいる親指に力を込めた。爪が食い込む。痛い。
少し涙目になれば、兵太夫はにこにこしながら「痛い?」と聞いてきた。痛いに決まってんだろ、ぱっつん。変な性癖に付き合わせん…、
最後の一言を思う前に、私の唇から赤い血が流れた。あーあ、醤油とか染みるんだよな。いたいし…。
血は止まることもせず、相変わらずわたしの唇から流れ続け、終いには口の方までたらーっと垂れてきた。そんな姿をみて、「可愛いね」と言いながら私の血をなめた。首筋に垂れた血から、ゆっくり舐めていき最終的に唇の傷を広げるかの様に舐めていく。チクチクとする鋭い痛みに涙が出そうだったが、それ以上に私の血を舐める兵太夫が官能的で厭らしくて、そんな痛みすら麻痺してしまいそうだった。





脳みそ腐ってんじゃない?
(私も兵太夫も)










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