その日はひどく暑くて暑くて、私はぐったりしていた。軽い熱中症の状態で、首に冷した手拭いを巻いて部屋で横になっていた。開かれた襖から外が見える。外は凄い晴天で見てるだけで目眩がしそうだ。そんな私をくすくすとわらう声がする。私はその笑い声で誰だか直ぐに解った



「笑うなんて酷いよ、三郎」

「悪い悪い、ついお前のそんな姿を見たら笑えてしまって」



「調子はどうだ?」そう心配しつつ笑う三郎に軽く睨みをきかせる。何が調子はどうだ?だよ。悪くなきゃ寝てないのに。そんな私を気にもせずおでこに手をのせ、「熱は下がったみたいだな」と三郎は言った。



「まだ体調は良くなさそうだな」

「…うん、」

「早く良くなると良いな…夏だし」



そう言って横になる私の頬を触る。あまりにも優しく降れるので私はくすぐったくて、体をずらせば「逃げるな」と言って頬を両手で挟まれる。その時の三郎の顔は、凄く優しい顔をしていて…











はっと目を開く。そこは私の部屋なんかじゃなくて放課後の教室だった。窓からは橙色の光が射し込む。いつの間にか寝てしまったのだろう、友達は誰一人居なかった。あんな幸せな夢は、久しぶりに見た気がする。そう思うと涙が止まらなくて止まらなくて、どうしようもなかった。窓の外から三郎と親友の声がする。彼は今日も私以外の誰かを愛するのだろうか。





嘘と現実とぬるい絶望と







110802 付き合っていながら浮気する三郎の彼女の夢のお話





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