「先輩が好きです」そう綾部に伝えられ、私は持っていた生首フィギュアをどん、と落とした。立花先輩が私を睨むので、綾部の手を引いて委員会室から飛び出す。飛び出したは良いが、どこに行けば良いのかわからなくなって、とりあえず食堂に向かった。食堂には生徒は勿論、おばちゃんも居なくてほっとため息を吐く。綾部はそんな私を気にするわけでもなく、勝手に台所から湯飲みと冷茶を持ってきて私に渡してくれた。



「先輩、急に飛び出すから驚きました」

「私も急に告白されたから驚きました!」



そう伝えれば、綾部は「急でしたか?」と不思議そうな顔をした。私はそんな綾部をみて、またため息をつく。確かに綾部にしてみたら急ではないかも知れない。でも、私は違うでしょ。と、喉まで出かけて留める。ダメだ、絶対言っても伝わらない…。



「はぁ…」

「先輩、さっきからため息ばかり吐きますね。すでに、2回はついてます」

「…数えてたの?」

「はい」



表情を変えずにそう言う綾部をみて、私はまたため息を吐く。綾部ははそんな私をみて、また急に肩を掴んで接吻をしてきた。
いったい何が起こっているのか、よくわからない。よくわからないが、とりあえず。綾部離れろ。ドンドンと綾部の肩を叩くと、綾部はやっと解放してくれた。



「ちょっと!急に、何!?」

「兵太夫から、」

「え?兵太夫?」「兵太夫から、ため息を吐くと幸せが逃げると聞きました。だから先輩の幸せを先輩に戻したんです」

「…」

「先輩が好きだから、先輩には幸せになってほしいんです。」



そこまで言って、綾部は私に「ごめんなさい」と謝った。…そんな、そんなこと言われて謝られても怒れる訳ないだろ、馬鹿。
顔が、凄く熱い。これは別に、照れてるとかじゃなくてほんとに、あれだよ。うんあれだ。



…好きだ、





ゆるゆると
溶けだす











110801 更新頑張る。以上!!



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