ふわり、と笑う可愛らしい笑顔とはそぐわない、ほどよく付いた腕の筋肉を感じると、やっぱり彼も男なんだなぁ、とぼんやりと思った。男の子、なんて可愛らしいものではなくて『男』である。押し倒された体は私がどんなに力を入れてみても動けない。いつもの弱々しさはどこにやってしまったのか、夢前は私をにっこりと笑いながら見つめる。と言うより、見下している。「ねぇ、緊張してる?」「なんで緊張しなきゃいけないのよ」「僕はねぇ、緊張してる」「話きけよ」そんな会話と言えない会話をした後、夢前はゆっくりと私の忍衣装に手をかける。おいおい、ちょっとまてよ。落ち着け夢前、そして私。



「夢前、なにしてんの?」

「忍衣装脱がしてるの。え、なに?そうやって言わないとダメなタイプ?て言うか、そうゆう行為が好きなの?興奮するの?うわ、変態だねぇ」



ふざけるんじゃない。そんなの好きなわけ無いだろうが。恥ずかしくて死ぬわ。それに、勝手に人を変態呼ばわりしてんなよ。当然ながら、そんな趣味は無い。「そうじゃねぇよ、話聞けよ」「なにいってんの?聞いてるじゃん。なまえの声なら一音一句聞き逃さないよ。呼吸の音だってばっちり。」気持ち悪い「いや、そうじゃなくてさ。私たち、付き合ってないよね?そうゆう行為するの可笑しいよね?」「そうゆう行為って、なぁに?」またもやふわりと笑う。



「…いや、だからさ…あれだよ」

「どれ?」

「…その…性交…と、か」



私が照れながらもその一言を言うと、夢前は「なぁんだ、わかってるじゃーん」と言って「なら良いよねー」と作業の続きを始める。よくない、よくない!そうゆう行為の前に言うことあるじゃん。やることあるじゃん。告白とかさ!



「え?告白してほしかったの?」

「そこが言いたいんじゃ無いけどね。それに私、別に」



「夢前のこと、好きじゃない」と言う前に、夢前は私の耳元で「愛してる」と低い声で囁いた。え、夢前ってこんなに低い声出るの?え、いま愛してるって…



「だいすき、愛してる。なまえしか見えない。なまえが居なきゃ息だって出来ない。」

「ゆめ、さき…」

「だから僕と、性交してください」




青春不純行為
(思わず、はいと返事をした私はやっぱり変態かもしれない。)






100920 うちの夢前は話を聞きません




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