私は、くらくらする程の頭痛と今にも吐き出しそうな吐き気に正直参っていた。それは朝からずっと続いているもので、本当に厄介だった。厄介と言えば、女という生き物も厄介この上ない生き物であった。自分の気に入らない奴が居れば、容赦無く切り捨てる。ぐしゃぐしゃのぼろぼろになるまで苛めて、捨てる。でも、好いてる男の前じゃそんな素振りも見せない。健気な女を演じるのだ。そう言う私も女ではあるが、前者と後者どちらかと聞かれれば前者であると言えよう。何故なら、今の私の状況がまさしくぐしゃぐしゃのぼろぼろになるまで苛められている状況だからである。そんなことで怯むような私じゃないぜ!私は強いんだから!なんて、言えるような人間じゃないわたしは、簡単に怯むし、直ぐに体調に出てしまうのだった。嗚呼、本当に迷惑だ。
「調子悪そうだね」
「…どうもこんにちは、笹山くん。そしてさようなら…」
「つれないなぁ、少しくらいお話しようよ。なまえちゃん」
迷惑繋がりで言えば、笹山も迷惑だった。何故絡む。私が何かしたのか?したなら謝るから、もう関わらないで下さい。といつも心で泣いて顔では笑うわけである。大体、笹山が絡みだしてから私の苛めが始まったのだ。理由なんて安易過ぎてわかりきっている。気に入らないんだろう、笹山を好いてる子には私の存在が。だが、最初に言っておくが私が絡んでるんじゃなくて、笹山が絡みだしたのだ!(ここははっきりさせなくてはならないところだと思う)
「…笹山くん、私忙しいので…」
「体調悪い原因って、もしかして生理?」
「…」
「あ、あたっちゃった?」
なんて最低な奴だろうか。一気に株価急崩落である。いや、そもそも崩落して居たけれど。私は無言で笹山の横を通り過ぎようとしたとき、腕を強く捕まれた。…この前蹴られた時の痣が痛い…。
「話し、終わってないのにどっかいくとか。どうかと思うよ」
「…はなしてください」
「なんで?」
「痛いから、」
「苛められた時の痣が?」
「…」
何でしってんだよ…、この人。そんなこと思っていると、簡単に壁際に追い込まれていた。そして、一段と低い声で私に言った。
「今からお前を苛めた奴を殴りに行きます。だから、誰がやってるか言って。ね、簡単な話でしょ?」
にっこりと笑う笑顔には不釣り合いの台詞を聞いて、私の体調の悪さは吹き飛んでしまい。私はただただ、もう勘弁してくれ。そう思うしか無かったのである。
誰も、止められない。
(サヨナラ天国、コンニチハ地獄)