!)ヒロイン死んでしまいます。ご注意ください。そして、夢要素少ないです。なんか、兵助と戦ってるだけになってしまいました。





















血の匂いがきつく残るそこに、目立つ黒い衣装に身を包む小さな身体。目が合った瞬間から、もう戦は始まっていたのだった。この戦で、俺たちの意見なんて関係ない。殺すか殺されるか、それだけの話だった。忍として情報を殿に伝える。その情報に一喜一憂する殿が可笑しかった。可笑しいの殿だけじゃない、本当に可笑しいのは…この、腐った、時代だ。そして、何も感じずに人を殺めるこの俺なのだ。






敵襲がこちらの陣地に入っていたとの情報が入る。その瞬間、頭上にできる黒い影。拙いとおもい、殿を庇う様に苦無を投げるがいとも簡単に短刀でそれを弾き返された。そして、目の前に現れる敵襲の忍。速い、そう思いながら自分も刀を抜く。小声で殿に逃げるように伝え、自分は目の前の敵に集中することにした。周りを見る限り、敵はこいつだけ。背丈はそんなに高くない。その分、身軽って訳か。じりじりと縮まる距離。先に仕掛けたのは向こうだった。近距離で投げられた苦無は予想する以上に速く、威力がある。ひらりと避けたつもりが左腕を掠ったのか、腕には傷ができていた。




「…ご丁寧に毒まで塗って…、そんなに憎いか」

「…」

「…話すまでも無いってか…。それじゃぁ、無理やりにでも吐いてもらうしかないな…。くのいちさん」

「…!」





少し呼吸が乱れた。そこを狙って一気に攻め込む。くのいちだとすれば、空中戦にもっていくよりも近距離で始末したほうが良い。右に切り込む、そして左。その瞬間敵のくのいちが石に躓いた。その油断を見逃さずに首を狙う。だが、その刀は簡単に止められた。…でも、足にぶっ刺さる刀は気づけなかったみたいだな。





「…俺は二刀流なんでね、忍は足から崩す。教わんなかったか、くのいちさん」

「…教わったよ、あんたと同じ場所でね…兵助」

「…!」





手裏剣を投げられ、避けるように後ろに飛ぶ。敵のくのいちは自分に刺さる刀を抜きそれを捨てた。…おまえ、何で




「…なまえ、なのか…?」

「…気づかないで、戦ってた、なんて。天下の久々知様が笑えるね。」

「おまえ、だって…こんな仕事、しない、って…」

「敵を欺くには、まずは仲間から…。これ、こそ基本中、の基本でしょ…」





息が上がっているなまえを見て、さっきの刀に毒を塗っていたことを思い出した。急いで解毒剤をと思い、近寄ろうとすると「くるな!」と叫ばれる、






「来ないで、今私と…久々知は敵、」

「それ以前の問題だろ!俺たちは、」

「…ふざけんな!」

「…」

「私はね、あんたが慕ってるイカれたお殿様が大っ嫌いなんだよ。…女を、ただの玩具にしか思ってない…!姫が、どんな思いをして死んで逝ったか分かる?お腹に居た稚児を守るように、焼け死んだのよ…!」






口元を隠していた布が取れる。そこにいたのはやっぱりなまえで、ぼろぼろ泣きながら俺に苦無を向けていた。「だから、殺してやるんだ!あんな奴、殺してやるんだ!」そう言って俺を憎むように見つめる。なぁ、お前どこ行っちまったんだよ…。前のお前は、どこに行っちまったんだよ。前は、一緒に手繋いで出かけたり…なまえが勉強できないからって、教えたり…。
なまえが向かってくるのが分かった。腕が、足が動かない。


そのとき、グサリと何かが身体に刺さる音がした。






「…さぶ、ろ」

「…兵助、遅くなった」





三郎はそれだけ言うと、前のめりにもたれ掛るなまえから刀を抜いた。三郎は何も顔色を変えず「殿は無事に逃げられたそうだ」と言って、俺の身体を支えるように持ち上げた。なんで、なんで…




「なんで、そんな…お前、は」

「兵助」

「なまえ、なんだぞ…、あのくのちは…!なまえなんだ!何で、そんなに平気なんだよ、何で、そんなに…!」

「俺たちは人じゃない、忍だ」






そう言って三郎は「雷蔵たちが、待ってる」と小さく呟いた。大きく広がるこの土地に溢れる空気は、汚い血の匂いと人の醜い感情で。そんな戦場で、俺たちはこれからも生き抜かなきゃいけないなんて…。なんて、ばかげたことをしてるんだろう…。どうして、そんな風にしか生きられないのだろう。









凛として咲く、




























どこにも、夢要素入って、な…い…。すみません…ほんとに、ただ単に兵助とヒロインを戦わせたかっただけで書いてしまった小説でした。今聞いてる曲が、某ゲームの音楽でスピード感があって凄くかっこいいのですが…。撃沈でした。もっと勉強したい…。こう、スピード感とか緊迫した感じとか。…無駄に長くてすみません。少し補足説明を。

ヒロインはとある小さな城に雇われているくのいちです。雇われておきながら、やっぱり忍は好きじゃなくて。そんな中、唯一ヒロインを優しく包み込んでくれたのがそこのお城のお姫様だったんですね。お姫様に「私を守るために生きてほしい」と言われて、ヒロインはやっと忍という職業に誇りを持てたある日、兵助の居る城の殿が気まぐれに戦争を起こしたのです。そして、急におきた戦についていけず姫は死んでしまった。(ヒロインは違う城に偵察に行っていたため無事でした。)そんなことから、こんなに大きな(他の同盟している城すら巻き込むくらい)戦になってしまったわけですね。
今の五年生は偶然同じ同盟の中に居る城同士だから三郎は兵助を助けに来ました。三郎は元級友でも躊躇なく殺します。それくらいで良いと思ってるし、それが普通だと思ってるんじゃないかな。…兵助はもっと強い子イメージなんですけど…。めちゃくちゃメンタル弱い子になってしまいました。

…長々とすみません。ここまで読んでくださってありがとうございます!








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