さて、これはいったいどうしたものか。そう思いながら、私が途方に暮れていると立花が障子を開け、見下すように「いったい何をやっているんだ?」と私に聞いてきた。いや、そんなの私が聞きたいくらいなんだけどね。何なの、この小童は。ねぇ、何なの?




「いつからそんな状態なんだ」

「いや、なんか二人と目が合った瞬間って言うか。いったい何があったの?私には理解できないんだけど。」

「…なんて図々しいやつらだ。委員会だと言うのに。」




そう呆れながら立花は机に置かれた書類に目を通す。私はそんな立花と私の腿を枕にしてくっついて寝ている小童を交互に見た。こんな状態になったのはついさっき。私が実習から帰ってきて久しぶりに委員会の活動に出ようと思い、委員会の部屋の障子を開けたら兵太夫が何も言わずに抱きついてきた。そして、そんな兵太夫を見てか伝七も引っ付き今に至るのであった。ていうか、ほんと足、痺れて、る!




「みょうじ先輩、おかえりなさい!」

「いつから、作法委員会は託児所になったんですか?先輩」

「ただいま、藤内。私も、よく分からないんだけど…。とりあえず、挨拶くらいしよう。綾部」




少し頬を赤く染めて挨拶をする藤内と、そんな藤内に引っ付きながらここまで来たであろう綾部を見つめる。かわいそうに、藤内。いい加減、後輩をいじめるのやめなさい、綾部。そんなことを思いながら、直ぐ下で眠る二人の頭を撫でる。綾部は、そんな私をじっと見つめてゆっくりと近づき、私に抱きついてきた。ちょ、お前まで…!




「…綾部、ちょっと離れて…」

「私だってー寂しかったんですからー」

「はぁ?」




そう言って眠る体制に入る綾部。おいおい、良いのか。今から委員会だろ。立花の方を見れば、そんな私を見て口を開く





「一年の小童共は、お前の帰りが遅いから心配で一睡もしてなかったようだぞ」

「…え?」

「まったく、あんな簡単な実習で何を時間かからせているんだ。作法委員委員長として私は恥ずかしい。」

「…ごめんなさい…」

「だが、怪我が無かったことだけは褒めてやろう」

「…」




藤内が私に熱いですから、気をつけてください。とお茶を入れてくれた。そして、「綾部先輩も、」と話し出す。




「綾部先輩も、凄く心配してました。心配して、いらいらして塹壕掘るの一日中やってましたよ。」

「な、なんて迷惑なことを」

「でも、そうやって先輩を待ってました」

「…」

「ぼくも、予習しながら、って言いたいんですけど。予習なんて全然手につかなくて…ただ、先輩待つだけに…なっちゃって…」




そう言いながら、藤内もゆっくり座って私の肩にもたれ掛って来た。そして、少ししてから一定のリズムで呼吸する音がした。




「…みんな寝ちゃったよ、立花」

「まったく…だらしがない」

「もしかして、立花も心配してくれたの?」

「…だとしたら何だと言うんだ」

「…いや、幸せだなって思って。」







どれほど愛されているかなんて、愚問の話である
(言葉で言い表せないほどに決まってる)












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