戸惑い
数日経って、ある日のこと。
アリアは部屋から出て作戦会議室から入ってきた集団を見て驚き固まった。
彼らは物資保管所から帰ってきて一旦休憩と言う形で休憩部屋へと向かう所だった。
しかし、アリアは駆け寄るよりもなぜか隠れて、通り過ぎる皆を背中で見送っていた。
どうしてかなど本人しかわからない、それでも会うことをしなかったアリアは自分も半分驚いている。
『…アリア、?なんで隠れたんだ…?』
「……私、会いに行けない、と思うから。」
『アリア…。』
「ん、?アリアこんな所で何で隠れているの?」
『あ…シャルさんっ』と慌て気味に静かにするように人差し指を口元でやるがそれも時すでに遅く、気付いたロニがアリアの名前を一番に叫んだ。
それによって皆がアリアを見て、一番にリアラがアリアに抱きつき嬉しそうに涙を流していた。
「え、知り合いですか?」
「知り合いって言うかなか…」
『ああ、僕たちとそいつは少し顔見知りだ。』とカイルの言葉を遮り、ジューダスがそう言えば驚いたカイルと皆はジューダスを見た。
その表情は話を合わせろといって折り、ロニは『あ、あー!そうそう!ちょっとした知り合いでな!』と慌てながら話を合わせた。
それに、さっきまで不信感を抱いていた瞳をしていたシャルティエは表情を明るくして『そうなんですね!』と答えてアリアに声を掛ける。
「じゃあ久しぶりの再会だよね…じゃあ後で部屋に遊びに行くからね、アリア。」
「あ、はい。またあとで…シャルさん。」
少し会わないうちにアリアとシャルティエが仲良くなっていることに皆不思議がっていたが、とりあえずはアリアの部屋ではなく皆が休む部屋へと向かう。
そこでやっとのことで、皆それぞれにアリアがいたことに安心していた。
「まったく心配したんだぞ俺のアリアー!」
「え!ずるいよロニ!アリアはオレの妹みたいなものだよ!」
「なーに言ってやがるんだ!お前もアリアも俺の妹と弟みたいなもんだ!」
二人の会話にアリアはきょとんとしたまま眺めていれば『ごめんなさい…。』とリアラが小さい声で、アリアに聞こえるくらいで謝った。
何のことかわからずにリアラに向き合えば大きな瞳に涙いっぱい溜めて今にもあふれんばかりだった。
リアラの表情に驚いたアリアは慌てながら左袖で涙を軽くぬぐってあげるとぽつりぽつりと話し出す。
「私…あなたがあんなに大変な事になってるなんて知らなくて、それで…あなたを敵だと思ってしまったわ…。何回も…っエルレインの仲間だと、ばかり…っごめんなさい…!アリア…私っ!」
「……リアラ、私…リアラが大好きだよ…?」
「え…?」
怒りもせず、ただリアラの言葉を受け止めながら素直な今のアリアの気持ちを伝えた。
どう思われようともアリアは皆が好きで一緒にいたい仲間で、その中でもカイルは自分にとっては家族も同然である。
「最初話す事ができなかった私を疑うのは間違っていなかったし、正解だと思う…だって、私はここの世界の人間じゃないから…。」
『それ以前に人間じゃないね…。』と慌てながら付け足すとジューダスがすかさず否定の言葉を掛ける。
それに驚いたのはアリアだけではなく、皆だった。