仲良しで
剣のユリアラは物音でコアクリスタルを開いて、部屋の様子を眺めた。
ただ、見守るだけで話しはしないで。
すると、そこにはまるで悪いことをしてしまっているように部屋の周りを見渡す金髪の人物が入ってきた。
その姿にユリアラは懐かしくも思い、そして呆れた。
その人物はアリアが寝ているのを確認すればそっと顔を覗きこんでじっと見つめて、そして目を見開いて泣きそうな表情を浮かべていた。
それにまるで敏感に反応するようにアリアはそっと目を覚ました。
ユリアラからみれば何をしているのか不思議で仕方ないが、アリアからすれば驚きもので金髪の人物はついにはアリアに抱きついてしまった。
「!?あ、あの!?」
「ああ、やっぱり似てる…!君はきっとあの子の生まれ変わりだよ!」
「??あ、あの子?」
混乱するアリアをよそに抱きついたままの人物ははっとしたように離れて『ごめんね!思わず懐かしくって…。』と言ってやっとのことで自己紹介をした。
彼はソーディアンチームの中で一番若い、ピエール・ド・シャルティエだった。
自己紹介を終えればそのままソファに座り込みなんだか思い悩んだようにため息を吐いた。
アリアはまだ眠そうにしていたが話を聞くべきなのだろうと隣に座ればシャルティエのほうを向いて話を聞く体制になった。
ユリアラは彼が若い時点で、ソーディアンチームに配属したことに対して悩んでいたことを知っていた。
だからこそこれから話す事に耳を塞ぐ様にまたコアクリスタルと閉じる。
アリアはうとうととしながら話を聞いた。
「僕…最近入ったばかりで、あ…ソーディアンチームのことですよ。で、先ほどのメンバーのほかにも二人いるんだけど…敵側に捕まっちゃってて…。それで、他のメンバーよりも僕は全く強くないんだ…。なんて、君からすれば僕の話なんてどうってことないよね。」
「ん…?えっと…強さは自分の限界を決めるものじゃないと、思うよ。…私、戦うことはあまり好きじゃないけど、でも守るためなら…戦うし、強くなりたい。」
「…、君みたいな自信を持てればいいんだけど…。」
自信を持てずに落ち込んでいる姿のシャルティエの手に自分の手を乗せて『自信がないなら自信を作るだけ。』といい、微笑んだ。
実際アリアは自分が何を言っているかはわかっておらず、そのままあくびを漏らしてシャルティエに寄りかかるように眠ってしまった。
そのとき、シャルティエは昔、仲の良かった子に似ているのは見た目だけで別人だとはっきりと自覚してそっとアリアの頭を撫でながら自分も寄り添うように小さく微笑みを浮かべる。