目まぐるしく
リトラーに安心してもいいと言われてからアリアはぼんやりとしていた。
そして、引っ込むように奥に作戦会議室からアリアとユリアラは出て、ユリアラが使っていると言う部屋へと向かう。
そこに入ってから、アリアをベッドに座らせたユリアラは暖かいものを持ってくると言ってまたアリアを一人にした。
「……ユリアラ、私…いつも一人な気がする。」
『気のせいだ、アリアには僕がいるだろ?一人にはさせないから。』
二人きりになった時に話し出すユリアラに、それに慣れたように話しかけるアリアに誰が見ても不思議なのだろうがみているものは誰もいない。
「……さっき、皆がいた。なんでだろう…ここは、千年前なんだよね?私は、きっとエルレインのせいでここにいるから、わかるよ。でも、皆は?」
『…リアラじゃないのか?あいつも力を使えるとしたら…。』
「…?リアラ?」
『なんで?』というようにユリアラに質問するアリアに知らないのかと思い出したユリアラはリアラも聖女だと話す。
そのことに驚く暇もなく、部屋にユリアラが入ってきて話は中断してしまった。
そこで、ユリアラたちがこれから何をするかと言うことをユリアラ自身が話し始める。
これから二つの目的で、ソーディアンチームは動くとのことだった。
まずはベルクラント開発チームが投降の意思を示したために、彼らを救出するとの事と、敵側に捕まった仲間の救出。
それを彼らがすると聞いて、アリアはそこでユリアラに聞いた。
「……あなたは行かないの?」
「僕が?…いや、僕はまだ行けない……行くことは、できないと思う。」
『なんで?』と、素直な質問をユリアラに投げかけたアリアに、ただ彼は困った。
この時代のユリアラはただの兵士と同様のようなもので、兵の次に偉いだけの一般だったからだ。
ただ違うのは、彼は先ほどの女性、ハロルドとはある関係にあるためにここの出入りもソーディアンチームとも顔見知りと言うことだった。
その問いに答えられないユリアラは『まあ、とりあえずだ!』と話を逸らしてアリアを一番気にかかっていた人物の元へ行くことになったのだが、部屋で少し休んでいるときにユリアラが頭を抱えて困り果てた。
「まずい…あいつこれからゴミ漁り行くんだった…あー…行かないとあいつ怒るだろうなあ…。めんどくさ…だる…。……行くか。」
「……?ユリアラさん?」
ぶつぶつとするユリアラにアリアは顔を覗き込むようにするとなんでもないと首を振れば、暫くここで体を休めると言うことで、部屋に戻った。
ちゃんとしたアリアの部屋を割り当てられ、肩の荷を降ろすようにユリアラをベッド脇に置いてそのままベッドに横たわればすぐに寝息を立てて眠ってしまった。
それを見守るようにしていたユリアラは習うように、安心したようにコアクリスタルに蓋をして、自分も一時的に機能を停止させた。