□マヤ□リ
「……。」
私は、ミアに呼ばれて研究所に訪れた。
何故かと聞いてみたけどなかなか答えてくれなくて、不思議に思いながら連れられた場所に驚いた。
そこは、亡くなった人が眠る場所、らしい。
ミアはこれ以上は入れないと、私一人に進むように言われた。
中に入り、あるひとつの場所に辿り着き、そっと中を覗き込めば綺麗な女性が眠っていた。
そこで私は気付いた。
彼女は私の、元となった人物。
オリジナルの、人間だと。
見た目は私に全く似ていなくて、誰なのかと思ったが、何故か瞬間的に私のオリジナルだとわかった。
これが私のオリジナル。
そっと手を伸ばせば冷たくなっていて、既に死んでいるのだと分かり、悲しくなると言うよりも不思議だった。
初めての対面を終えて、部屋に戻るとミアが教えてくれた。
私のオリジナルで、私が生まれるきっかけとなった人物。
しかし、数日前に病で亡くなったのだと言う。
私に全く似ていない、その事をミアに聞くが答えてくれなくて、話をはぐらかすように彼女の話をし始めた。
優しくもなく、冷徹な性格だったという。
しかも、弟も病で亡くなっていて、その弟を生み出そうとして、私が生まれたのだという。
やはり、どうしても深く話に踏み込めない。
聞いていても何かを避けるように話すミアに私は掴みかかって今まで我慢していた事を聞いた。
なんで、私は生まれたの。
なんで、私はここに居るの。
なんの為に生きているの。
私は、生きている意味があるの。
私は分からなくなっていた。
まだ一年、されど、一年。
私には長く途方もなく感じてしまっていた。
生きていたくなかったとさえ感じた事もあった。
毎日、同じこと。
「私は、私は何でこんなトコロにいるの?私に価値がある?あなたは、良いかもしれない。だけど、知ってるか?私を見る他の者の目を!お前は!知っているか!?」
「っ、アリア…落ち着いて…?あなたは不安になっているのよ…よくあることよ…大丈夫、大丈夫。」
「はあ!?ふざけないでよ!バカ!」
苦しく感じる。
喉からせり上げてくる何かが私を爆発させようとした。
その時、私は頬に伝わる何かを感じたがその直後口から何かを吐き出してしまい、意識を手放した。
―――私の生きている意味など、本当は勘付いていた。