古代の代物
アリアにはそばにいて欲しかった人がいた。
居たのにも関わらず、アリアは命を落とした。
「…私、は……。」
「アリア。何をしている。早くイクシフォスラーに乗れ。」
リアラが居なくなった事により、どこに向かったのかと言えば一人でアイグレッテまで光に包まれながら向かったという話になった。
そして、ウッドロウからの勅命状で天地戦争時代の地上軍拠点跡地へ向かい、イクシフォスラーで飛んでいくという事になり、封印を解き今みんなはイクシフォスラーに乗り込んでいた。
しかしアリアだけは何かを思い悩んでおり、乗ることを拒んでいた。
ジューダスは乗るように声をかけるがなかなか乗り込もうとせず、仕方なく抱えるように抱きあげればアリアは驚き手足をばたつかせた。
「……ジューダスのやつ、あんなやつだったっけか?」
「わ、わかんないけど…。」
「あたしにはアリアがもたついていたからイラついちまって、仕方なくやってるようにしか見えないよ。」
三人はアリアとジューダスをイクシフォスラーの中で眺めながらそんな会話をしていれば、二人が中に入ってきた事で見ていなかったと言うように三人は前を見つめた。
「お前は僕の隣にいろ。離れるなよ。」
「う、あの、私……。」
『拒否権は無い。』とアリアに言い、誰が操縦するのかという話もかぶるようにされた為、ジューダスが経験あると話しながらエンジンを動かし始める。
天地戦争時代の遺産であるイクシフォスラーは、かつてあったオベロン社が見つけたものであった。
千年前のものが、今も動くという事に皆驚きながら、ジューダスの荒い操縦に酔いそうになりながら、なんとか目的の場所に辿り着く。
ストレイライズ大神殿の屋上にイクシフォスラーを着陸させ、中に入る。
しかし、待ち構えていたかのように強面な男の警備兵が二人立って襲いかかって来ようとした。
その時、さっきまで拒むような様子だったアリアが一人の顔面に殴り掛かった。
もちろん、一人は確実に倒れた。
“アリア”は、殴った体制からそのまま回転するように動き上半身を屈むように低くして回し蹴りをもう一人に食らわせた。
あっという間に倒れた敵に、皆は唖然としていたが“アリア”の表情を見たジューダスはすぐに“アリア”の腕を掴み歩き出すと同時に『進むぞ。』と皆に言う。
なぜかなんてわからない他のメンバーはジューダスの行動に不審になりながらも中に入り、進んでいく。
「何故また貴様が出てきた。」
「……。」
“アリア”の表情は言わずもがな、口元に弧を描いで微笑んでおり、ジューダスは顔を顰めながらも、腕を掴んだまま奥へ進む。