りゆう
沢山の事を知って私はそろそろカイルくんたちの元に行くべきかと思い外に出てふと何かに導かれるように城から離れてそばの広場みたいな場所にいつの間にかたどり着いていた。
ハッとなって目の前を見ると、その人がいた。
「…アリア、エクリアよ。」
「あ、…。」
「さあ、ついて来い。今から…」
「…アリア?」
目の前には哀れむような、でも冷たい瞳を持ち人とは思えない雰囲気を持ったエルレインがいた。
私に手を差し延べて誘うようにしてくるエルレインの言葉を遮るようにして私のうしろからジューダスの声が聞こえて振り向けばエルレインと私を交互に見た後に自身の腰に下がっているレイピアを引き抜いて『そいつに何をするつもりだ。』とジューダスは静かにエルレインに問い掛けた。
そんなジューダスに対して、エルレインは何事もないような表情でジューダスに目を向けたかと思うとすぐに興味を失ったように私にまた手を差し延べてきた。
私は何がなんだか分からず、うしろに一歩下がりながらジューダスの元へ行こうとしたら『忘れたとは言わせないぞ?』とわざと大きめの声でエルレインが言った。
「お前は、生かされているのだと気付かないのか?」
「…、か…さ……れ…?」
「…そうだ。お前は生かされている。」
その言葉と同時にジューダスは隙が出来たとばかりにエルレインに切り掛かってきた。
しかし私を守るようにして包み込んで後ろに下がったかと思ったら、宙に浮いた。
ジューダスが私に何か話し掛けていたけれど、何も聞こえていなくただ私はその時頭の中に流れた光景を思い出した。
「………私……死ん……だ…?」
「…っ、アリア!話に耳を傾けるな!」
「ふふ…気付いたか…アリア・エクリアよ。さあ、行くぞ。」
目の前が真っ白になったように、真っ黒になったように、あの時とは違う感情が流れはじめた。
ジューダスが懸命に声をかけてくれているけれど、その口はただ言葉を発しているようには見えなくてただ動いてるようにしか見えなかった。
ただ、頭に響くのはエルレインの声だけだった。
だから、だから私は今生きているんだ。
私は一度死んでいて、エルレインによって、私は動いて生きている。
Title「千切れた翼」byたとえば僕が