ゆきぐに
私はそれを伝えてユリアラに行こうかと言えば少しだけ光るそれを輝かせたのを見てジューダスに微笑んでからその場を後にした。
無意識だけども、私が聞いてもいいようなものではないと思うから。
そのまま部屋に戻るのもつまらなかった為甲板に出てみるとロニとリアラが二人で落ち込んでいる様子が少し遠くからでも見えてどうしたのか近づいてみれば私に気づいた二人はすぐにぎこちない笑みを見せてきた。
そんな表情はすぐに何かあったんだとわかるけれども、さっきのジューダスとのを思い出すときっとみんなに関係することなんだと思う。
ただ、私はその輪の中に入ってないだけ。
それだけでなんだか一緒にいるけれども壁を感じてしまう。
「ん…。寒くなってきたわね。」
「っつーことはそろそろスノーフリアってことか。」
問い詰めない私の二人もそのことを気にすることなく海の向こうを眺め始めた。
聞けないのもあるけれども、話せたとして聞いてしまえばお互いがギクシャクしてしまうと思うから、だからここは何も言わないのが正解だと私は思うから。
二人に習って船の向こうを見れば陸地らしきものが見えて長い船旅も終わりだと思うと少し名残惜しかった。
そっと私は手を握りしめて、これから何かが起きるんじゃないかと不安にな気持ちを押さえ込んだ。
船を降りて見ればそこは一面真っ白な雪の世界で家の屋根も雪で覆われていた。
綺麗で思わず見惚れていたらジューダスに肩を叩かれて気づいてついて行く。
「ここからファンダリアまでは目と鼻の先だな。」
「さ、寒いわね…。」
自分の肩を抱きしめるようにするリアラに私はそっと背中をさすって気休めでも寒くないようにしてあげようとすれば、少し驚いたリアラだったけどすぐに小さく微笑んでお礼を言ってくれた。
近くの店に防寒具があるかどうか見て回り、まず朝になったら出発ということになった。
宿にチェックインして、それぞれ部屋を割り振られたが話すことが出来ない私とリアラだけが、部屋で気まずくなっていた。
何か話すことはないかなと探してはいるけれど、話せなくちゃ意味がない。
私は紙を探して、ペンも探して紙に書いていく。
あまり文字を書かないから読めるか分からないが頑張って書いて、リアラに渡す。
「?なあに?」
なんだか、ごめんなさい。
「どうして?」
私、役立たずだから。
「そんな事ないわ!だって、女の子って私達だけじゃないの。あなたが居てくれて嬉しいの、本当よ?」
なら、よかった。私、ちゃんと戦えないから…それに皆の足手まといにしかなってない気がして。
「それは、わたしもだから…。」
小さく呟いたリアラに私は首を横に振って そんなことないと否定した。
リアラが居なかったら私達は回復も出来な ければきっとカイルくんもリアラと出会わ なければ私もルーティさんとずっと一緒に いたかもしれないから。
外に出られたことは、ルーティさんには悪 いかもしれないけれども私にとっては嬉し いこと。
お互い慰めながらも一息ついた時にリアラ に声が出ない理由を聞かれた。
そのことについて私は口を開こうとした時 喉が焼けるように痛みだしたのに書きはじ めた手を止めてリアラに今は言えないと言 うように首を横に振れば、分かってくれた 。
喉が焼けるように痛いのを我慢して、私は 先にベッドに入り、目を閉じて眠りに入っ た。
痛んだことを、私は忘れるように。