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はんしゃ





カイル達が商人に言われた場所から戻って来て、頼まれたものを渡せば予想していなかったものを渡され唖然としていたが約束は約束、と言えば苦虫を噛んだように悔しそうな表情をしながらカイルに約束のものを渡す。

嬉しそうにする四人はふとそこでアリアの事を思い出す。



「そういえば、アリアはどこにいるんだろう。」


「そうね…さっきまで居たはずなのに…。」


「さっきまで、と言っても数時間前だ。もしかしたら宿屋に居るかもしれない。」



『行くぞ。』とジューダスが言ったあと皆もジューダスのあとについて宿屋に向かう。

しかし宿屋にはいなくてどうしようかと思った時闘技場の事を耳にした。

それは戦い方が他と違う女が連勝しているということだった。

とりあえず見掛けないともなれば探し回るしかなく、皆闘技場に向かった。

闘技場に来れば歓声と熱気で会場は出来上がっていた。


中央では剣を持った者と拳を構える者が闘っていて、皆はすぐに誰だかわかった。



「あれ、アリア…だよね?」


「違いねえ…ありゃあ、アリアだな。」



皆口々にアリアと名前を出す中、ジューダスはただ眺めていた。

確かに今戦っているのはアリアだと分かるが見た事あるような戦い方ではなかった。

拳を構えて相手に向かって行っている、しかし彼女が持っていた剣が無いことに違和感を感じていた。

だが戦っているアリアは普通にしていた。


アリアはジッと相手を見たまま目を離すことなく動きを見つめていた。

相手も同じようにアリアを見つめたあと地面を蹴るように走り出したと同時にアリアも駆け出す。

遠くから見ていたジューダスもアリアの相手が凄腕だとわかり、黙って眺める。


アリアはそのまま相手の突きを左に交わして右手で攻撃をするも交わされてしまったがすぐに体を軸にするように右に回るように地面にしゃがみ込むようにして左足で相手の足を狙う。

そのまま相手が倒れれば叩き込むように拳を握り攻撃をするがすぐに交わされてしまった。

相手は体制を立て直してアリアに剣先を向けすぐに攻撃をしてきたがアリアは分かっていたのか交わし獅子の形をした覇気を相手にぶつけ、そのまま相手は倒れた。



「な、なんと!謎の無口少女が勝ったぞー!?ということは…無口少女の優勝だあー!」



近くにいた場を盛り上げるように男の人がそう叫べば会場はいっそう盛り上がり会場が割れんばかりの歓声がアリアにかけられる。

男の人は景品とトロフィーをアリアに渡して拍手して退場させた。

アリアが去ってからも会場は煩いくらいに騒いでおり、ジューダスは耐え切れなくなって外へ向かった。

側にいたカイルは『オレも出たい!』と喚いていたがリアラとロニがそれを良しとせずに引き止めていた。


アリアは控室でユリアラを受け取り会場の外に行けば、壁に寄り掛かるジューダスを見付けて駆け寄った。

その表情はいつもの彼女とは違う優しく可愛らしい表情だった。





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