せいじゃく
静かな空間で眠れるはずもなく、私は起き上がってジューダスの方を向けば私に気付いて『…眠らないのか。』と小さく聞いてきて私は頷いた。
そっと壁に寄り掛かるように膝を抱えながら考え始めた。
そばにはユリアラが居て、安心するはするけれど、なんだか夜は怖い。
ここまで来て、問題なく進んでいるけれどいつ私はまたあの時みたいに死んでしまうか分からない。
でも、自分の身は自分で守らなきゃいけないから。
けど、もし、でも。
その言葉ばかりが頭の中を巡る。
話せないのに皆と一緒に居る、話せないのに仲間として受け入れてくれている、だけどそれはまだ始まったばかりだからそうとは限らない。
『……アリア、』
「…。」
『大丈夫、大丈夫だよアリア。僕がいるからな。』
その言葉が嬉しくて、私は頭を冷やすべく外に行こうとしたらジューダスに睨むように見られたけれどユリアラが『外行くだけ。』と言えばすぐに帰ってくるように言われたので大人しく頷いて外に出た。
霧に包まれた世界、暗闇に包まれた世界、ここが全ての中の一つだと考えるとやっぱり世界は広くて、凄いんだと知らしめられている気分だ。
私はそっと山小屋の扉の横に座り込んで目を閉じて考えることを放棄した。
意識が薄れていき、眠れると思った時小屋の扉が勢いよく開いた事でいきなりの事だった為か私は少し遅れてからそっちに慌てて目を向けたらジューダスと目が合う。
「…早く中に入れ。」
低く、いつもとは違う声に怖くなりながらも言うことを聞いて立ち上がり中に入り、すぐにユリアラを見付けて手に取る。
するとジューダスがそんな私を見て鼻で笑った。
「ふん…お前もいい加減喋れない演技をやめたらどうだ。」
「おいジューダス!アリアは関係ないだろ…!」
いきなりの事で私は呆気になってジューダスを見るけれど、目は冷たくて引き離してやろうとしていて、ぞっとした。
ジューダスがこう言うのはきっと何かを言われたとかなんだろうと思う、思いたい。
仲間として受け入れてくれたことが嬉しくて、もしかしたら私は浮かれていたのかもしれない、だから私はジューダスの言葉に首を横に振っていたらユリアラを見て何か言い出そうとした時カイルくんのリアラを呼ぶ声でハッと皆そっちに向く。
それは皆ずっと一緒にという寝言で、暫く皆は無言だった。
そんなカイルくんを見てロニがジューダスに『見張り、代わってやるよ。』と言ってジューダスは最初渋っていたけれど、折れて私の寝ている場所の壁によっ掛かった。
ロニとリアラの会話も終わり、また静寂が訪れた。
喋れないと私が演技しているんじゃないかと思われていることに、私はやっぱり気にしないということが出来なかった。
Title「心の空」by 秋桜