きり
ユリアラとそんな話をしていたらジューダスの背中に突然ぶつかってしまってそのまま抱き着くような形で立ち止まっていたら濃い霧に周りが包まれた。
ジューダスが言うには白雲の尾根らしい。
ここは迷いやすく、18年前の神の目の騒乱で受けた傷跡と言うべき、らしい。
よく分からないままジューダスの話を聞いていたら突然無言で剥がされるように離されてしまい、どうしてか見詰めたら鬱陶しそうな顔をされた。
「とりあえず、皆離れないように進もう。」
「それが一番だな。よしアリア、オレのそばから離れるなよ。」
「ロニ…あなたって。」
私の手を取ったロニにリアラはまるで引くかのように見ていたらロニが『違うからな!?』と言いはじめた。
いきなり始まったことに私はついていけなくて、それでも皆は進むことは忘れることなく、私は一人で濃い霧の中で気を引き締めた。
暫く進んで、なんだか気が遠くなるようなそんな感覚になった。
その時やっとのことで小さな山小屋を見つけ、あそこで休むこととなり、皆で中に入る。
ちょうど日が暮れていた為、安心した。
このまま日が沈めば暗い中で濃い霧に包まれているとなると、危ないし野宿も難しい。
きっとこの山小屋は冒険者の為にあるようで、毛布や暖炉と暖炉に必要な薪があった。
いろんな置かれているもののマークについて聞いたらコングマンという人が寄付をしていると聞いて、すごい太っ腹なんだと印象付いた。
「こんな山道にしかも霧が濃いとなると、体が疲れたな…。」
「ならお前らは寝ろ。僕が見張りをする。」
「え、でも…。」
ロニの言葉にジューダスが自分が見張りをすると言えば、リアラは心配するようにジューダスを見詰めていたが『いいから。』と制されてしまい皆は仕方なくそれぞれ毛布と敷布団を準備し始めていて、私も手伝うべくユリアラを壁に掛けさせて準備をした。
場所が場所なだけに狭くてぎりぎり皆眠れるようだけど、一人だけ二人で一緒に眠らなきゃいけなくて、ジューダスが自分の場所を使えと言ってきた。
私は首を振って大丈夫と示したけれどそれでも何故か頑なに譲らないジューダスに私はお礼を伝えて毛布に包まるように横になった。
暫くすれば皆の寝息が聞こえて静寂に包まれた。