ちから
部屋でユリアラと暫く会話していたらいきなり船が激しく揺れて外が騒がしくなって出てみれば皆が逃げ回っていた。
私は皆が逃げる逆方向に行けば下の倉庫にモンスターがいると聞いて降りていけば赤いような黒いような触手みたいなものを伸ばし、そして本体らしい顔の一部が船底を突き破って中に侵入してこようとしていた。
私は拳を握り締めて立ち向かおうとしたらユリアラに止められて、カイルくん達を呼ぼうと言ってきたけれどそんな事をしていたら余計に侵入してきちゃうんじゃないかとも言えば少し喧嘩になってしまった。
その間にもモンスターは私に攻撃しようとしてきていて私はユリアラをロープから外して海水がまだ達していないタルの上に置いてモンスターに向かう。
『ダメ!アリア帰って来いやめろ!』
ユリアラの言葉を無視して私はモンスターの触手から逃げ回って攻撃を与えるがあまり効いていないようで、少し難しいと思いながら一本の触手を集中攻撃していたらちぎれた音とともにぼとりと落ちた。
次に立ち向かえるように態勢を立て直そうとした時海水に紛れていて見えていなかった触手が私の足に絡み付いて動けなくした。
しまった、と思った時にはそのまま逆さまに持ち上げられ両足を縛るようにさせられ、両腕を上に持ち上げられるように触手が絡み付いたと思ったら首に胸に触手がまさぐるように絡み付いてきた。
気持ち悪い感触と息が出来なくなるのが同時に襲ってきて口を開いたり閉じたりしながらもがくがなかなか離してくれない。
『オイコラ変態モンスターめ!アリアを離せバカヤロー!!』
『どこ触ってんだよクソーッ!!』と悪態をつきながら真ん中のそれをチカチカ光らせているが、剣は剣だから私を助けられない。
きっとユリアラはそれがもどかしいんだろうどんどん言う言葉が悪くなってきて、私が耳を塞ぎたくなるものばかりになった。
でもその間にも首に入る力は強くなっていて意識が無くなってきて、私は必死にユリアラに語りかけようとするけれど声も出なければ近くにもいない。
口を動かしてユリアラと呼べば今にも泣き出してしまうんじゃないかというユリアラの声に私はユリアラの言葉を聞けばよかったかもしれないけれど、もしカイルくん達が来たら楽に戦えるようにとも考えた私がいて、本当は死ぬんじゃないかとも考えていた。
それを今になって立ち向かった私を思い出して馬鹿なんじゃないかと考え始めたけれど、それはもう出来なくなってモンスターは服をビリビリにちぎるように破り始めた。
でも首に絞まる触手は力を増して私はついに意識が途切れた。