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カイルたちはバルバトスの言ったように、神の眼の元へとやってきた。
そこではカイルの父であるスタンと一時ではあれど共に戦ったことを、カイルは嬉しく思い、感動していた。
しかしバルバトスを完全に倒したわけではない。
神の目がある場所へと来て、スタンとソーディアン達。
そして、神の眼に突き刺されたソーディアン。
だが、何も起きない。
「お、おい、どうなってやがんだ!?」
これで収まると思っていたがそうもいかないようだった。
未だに神の眼は動きを止めることをしていない。
「何も起きねえじゃねえか!」
「そんなはずないよ!ソーディアンを刺したら神の眼の力で、骸殻は壊れるんだろう!?」
ナナリーとロニの言葉にハロルドはじっと神の眼を見つめ、僅かに神の眼のエネルギーがソーディアンよりも上だということをこぼした。
「あとひと押しなんだけど……」
皆がどうすればいいか、そう戸惑っているとき神の眼に突き刺さっているディムロスが話しだした。
ほんの少しの会話のあと、自分たちが力不足だとディムロスは嘆いた。
しかしカイルはなにか方法がある、そう言うばかりで焦りの色が消えない。
「騒ぐな。見苦しいぞ、カイル」
会話を見守っていたジューダスは静かに言葉を発した。
焦ってしまってもおかしくない状況で、冷静なジューダスにカイルはジューダスを見遣った。
「……黙って見ていろ」
そう言ったあと、おもむろにいつもとは違う剣をジューダスは出した。
あらわになった剣はまるで少しばかり遅刻してきたような調子で言葉を発した。
『やあ、待たせたねみんな。遅くなって申し訳ない』
シャルティエの言葉にソーディアンの面々は嬉しいような、しかし変わらない様子でシャルティエの名を呼ぶ。
これできっと神の眼を制御できる、そう誰もが思っていたときジューダスは何かを感じて後ろに振り向きざまに握っていたシャルティエで襲いかかってきたそれを受け止めた。
「っアリア!?」
受け止めた先にいた人物にジューダスは目を見開き、名前を呼んだ。
そしてさらに黒い空間から遅れて現れてきたバルバトスに皆が武器を構える。
「英雄ごっこは終わりだ!貴様らはここで死ぬ、そこにいるコマとそして……この俺とともにな!」