青
「ご苦労だったな、カイル君。君たちも、休息を取ってくれたまえ」
「わかりました、リトラーさん」
アトワイトを救出し、ソーディアンの歴史的な瞬間を目の当たりにし、それぞれ興奮気味になりながら使っている部屋へと歩きながら話していた。
後ろで会話に花を咲かせているメンバーから少し離れたところで、ジューダスは先ほどの光景を思い出していた。
ああして、ソーディアンが生まれ、シャルティエが手にしている姿を見て少し不思議な感覚になっていた。
かつて自分の手に持っていて振るっていたシャルティエが、人間であるシャルティエが握り、振る姿が安易に想像できた。
しかし、あの中にユリアラはいなかった。
部屋に戻ってからは最終決戦の話が持ち上がる。
だがジューダスの言葉によって、空気が重くなった。
天地戦争の結末。
『……坊ちゃん』
「…………この旅が終われば、いつか僕も……」
『今を……』
「シャル……?」
『今を精一杯生きましょう、坊ちゃん。それに、もしかしたら……アリアも……』
シャルの言葉に、ジューダスは「シャル!」と咎める。
確かに間違いではない、だがそれを今考えたくはなかった。
皆が寝たあと、部屋から出てアリアのいる部屋へと行こうとしたとき、アリアの部屋から急いで出て来るユリアラと鉢合わせする。
そしてユリアラも気づいたようにジューダスを見て叫んだ。
「アリアを見なかったか!?」
title「たったひとつの触れる方法」by確かに恋だった