突入
準備を整えたアリアはユリアラと一緒に格納庫へと向かい走る。
そこにはすでに皆が乗り込んでおり、あとは二人だけとなった。
アリアは中からこちらを見る視線に気づいて見ればジューダス達がアリアに手を振って隣に来るように声を掛けてきた。
走るように中に入ってジューダスの隣に座ればカイルが覗き込んでくるようにしながら頑張ろうと声を掛けて、アリアは微笑んで頷く。
そして皆が乗り込んだのを確認すれば、それは飛び立てば瞬間的に早くなり、ラディスロウめがけて突っ込むように飛んだかと思えば墜落するかの如く落ちていった。
あっという間の出来事と揺れに皆降りてからカイルがハロルドに文句を言い始めるが、どうというわけでもなく着陸することも何もかも計算してのことだと話す。
「ちょっと待て。ってことは、わざとこんな風に飛んだのか!?」
「このぐらいドッタンバッタンしないと飛んでるって感じしないでしょ?」
ロニが青くなった表情で言うとハロルドは楽しく『計画通り!』と明るく言うがカイルはもう何を言っても意味ないというような顔をハロルドに向けるが気にしないかのように脱出用ポッドを指し示して確認をさせた。
それと同時に侵入がばれたのか、天上人の兵士が大きな声を上げるのが聞こえてきた。
「まずいな。思ったよりも早く気づかれてしまった。」
「何、いつかは見つかるんだ。それが少しばかり早まっただけのことさ。よし!作戦開始だ!ハロルド、錯乱は任せたぞ。他のものは、私に続け!」
カーレルの言葉にディムロスは動じずに作戦開始の言葉を掛けてディムロスたちは駆け出していった。
その際にシャルティエはアリアを見て笑顔を見せた後に引き締めた表情でディムロスの後を追っていった。
アリアはそれを見届けた後、敵がカイルたちを囲んだのを見て、アリアは構えた。
「お前たちの相手はこっちだ!さあ、かかって来い!!」
「若いのが元気だね!おっと、自己紹介をしていなかったっけ?」
「話している暇があるなら戦え!」
襲ってきた奴らを見てユリアラは悠長に剣を振るいながらカイル達に話しかけるが、ジューダスは注意をした。
ユリアラの隣に居たアリアは『うわ、僕ああいうの苦手…。』というユリアラの呟きに今の剣としてのユリアラとは性格が違うなと思いながら攻撃を繰り出す。
「飛燕連脚!飛燕獅子炎!」
足技で赤い炎を纏った獅子を繰り出したアリアの技に、機会のようなモンスターは怯んだように動きが鈍くなる。
それを見逃さずにロニが最後というように攻撃を当てれば機能停止したように動かなくなり、そのモンスターが最後の一体だったようで戦闘終了した。
「はい、一丁上がりっと!さ、俺達もとっとと行こう…」
「ちょい待ち!」
ハロルドの言葉に皆がどうしたのかと思えば倒したモンスターのことについて質問してきた。
それにカイルが戦ったことがあると答えれば『なるほど…。』と言葉を零して動かなくなった倒したモンスターのそばまで行ってしゃがみ込み振り向いてアリアに手招きした。
何なのかとそばまで行き、真似してしゃがめば隣でモンスターを突き始めた。
それにアリアも一緒に突けば『あら、可愛いことするのね。アンタって。』と口元笑みを浮かべてカイル達に言葉を掛けるように話し出した。
「つまり、あんたたちと同じように未来から来たやつがいるってワケね。」
それに驚いた一行に皆よりも先に立って道を確認していたユリアラには聞こえていないのに対し、アリアは動かなくなったモンスターになぜか夢中になっていて話を聞いていなかった。