あなたの傍に | ナノ
こころ




――僕は、お前を信用できない


 水面に一滴の水がこぼれ落ちるように、そう言葉が降ってくる。突きつけられる言葉は、私に何を突き刺してやろうというのだろう。私は既に、自分とは違う何かに突き動かされて動いていた。……ような気がするのだ。

 そこに存在するのは自分の言葉か、自分の意志か、自分自身の行動か。今ではそれを理解する為の知能は携わっていない。持ち合わせていない。

 では私はここにいる意味とは、なんだろう。私はどうしてここにいるのだろう。私は……。


――お前は…人なのか?



 また、水面に一滴の水が落とされて、言葉も落とされる。その問いかけも、私に向けられているのかさえわからないのはどうして?
 私には、理解も考えも拒否されているというの?


 嗚呼、そうだ。そういえば私は死んでしまったんだ。誰に殺されたのか、どうして死んだのか。いや、私は死んだのか? 疑問は疑問を呼んで、言葉が連ねられていく。もはや言葉ではないような気がする。言葉としてではないのかもしれない。



さて、ここまで来て私は何かできただろうか?




――――お前もいい加減、喋れない演技をやめたらどうだ。




さて、私はいつからこの声を繰り返し聞いただろうか?




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