「はぁ…」

「どうしたぁ?」

「あ、奈良さん」

「よぉ、仕事頑張ってるな」

「…この資料終わりにしないと花見いけませんから」

「なるほど、だからため息ついてた、と」

「え?」

「花見、いけないからため息ついてたんだろ?」

「……はい、私だけなんです。今日同期で仕事があるのは」

「ご苦労なこった」

「奈良さんは行きましたか?」

「ん?あぁ今日だ」

「へぇ…」

「………」

「………」

「………」

「………って、なんでここにいるんですか!?」

「ん?ぬけてきた」

「えぇぇええぇ!も、もったいないッ!」

「うっせ、あいつらに絡まれたらめんどくせーんだよ」

「…もったいない」

「それに、よ」

「…?」

「お前がいなかったし」

「………ぇ」

「お前の同期のやつがいんのにお前がいなかったから」

「奈良、さん…」

「仕事に追われて半泣きのお前を見に来た」

「………」

「ククッ、なんだよその膨れっ面」

「(ときめきを返して欲しい)」

「悪かったって、冗談冗談」

「…………」

「……さっきの嘘」

「そーですかー」

「…………







お前に会いたかった」

「ッ!!」

「ぶっ、顔赤いぞ?」

「うっ、うぅうぅぅう、るさ!いですよッ!」

「クッ………ハハハ!」








春の贈り物


それは貴方なのかもしれない





(なぁ、今度花見いかね?)

(……いいですよ)

(もちろん二人っきりで)

(ッ!)