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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -



「……………」

「て、手伝うから、ね?」


やってきた放課後

やらなければいけないプリント


部活に下校と皆が出ていき、教室には私とロロノアくんしかいない

課題は社会のプリント(しかも少ない)だけだったのだが


ロロノアくんは課題が増えた







それは少し前のこと

ドレーク先生から追加のプリントを貰いに職員室に行ったとき(これもやっとけ、とか言われて増やされた)(……くそう)


「お、いたいた。社会の居残りだろい?ついでにこれもやっとけ」


プリント追加(数学)


「……ロロノア、この前の実験サボっただろう」


プリント追加(化学)


「遅刻(迷子)でいなかっただろ?はい、二科分なー」


プリント追加(国語と英語)








…こうして、彼の手元には五枚のプリント


「………おれ、生活態度改めるわ」

「それはいい心掛けだと思うな」


机に突っ伏して落ち込む彼の発言に頷く


……さて、さっさとやりますか


シャーペンを握り、問題に取りかかる(よかった、なんとか解ける)





静かな教室内

問題も終盤に取りかかったとき、横の人がやっと動き出した



……首だけだけど

しかも、私の顔をガン見(プリントやろうよ…)


……うん、落ち着かないね


「…………」

「……な、なんか付いてる?」

「……や、別に」

「………そう」

「………………」

「………………」


熱い眼差しにおどおどしながら目をそらす


ちくしょう、新手のイジメか


なんとか視線に耐え、居残りプリント終了

シャーペンを置き、未だに見つめてくる彼をどうしようか考えていたら手を掴まれた


もちろんそれは、ロロノアくんなわけで


「…………あの」

「ん?」

「何がしたいのでしょうか」

「ん」


ん、じゃなくてねキミ…


丸みの帯びている私の手をにぎにぎにぎにぎ…と、触ってくる

何が楽しいのか全くわからず暫くされるがままになっていると、ようやくまともな言葉を話してくれた


「やっぱ落ち着く」

「へ?」


いつもは上にある顔が下にあるため、よく見える顔


あー、整ってるなぁ


なんて呑気なことを考えながらその顔を見つめる


「触ってると、なんか落ち着く」

「……え」

「話してても落ち着く、お前を見ると落ち着く」

「………あ、あの?」


突然の告白にさらにおどおど、というか、おろおろ

何時もの仏頂面に付いている眉間のシワが一瞬フッと薄くなり










「一緒にいると、すっげぇ落ち着く」


そう言って彼は立ち上がった

自分の荷物と私の荷物を片手で持ち、もう片手には先程まで握っていた私の手を包みながら


ロロノアくんの言葉に動揺している私の頭には抵抗なんてなくて


「さ、帰るか」

「え、プリントは?」

「んなもん端からやる気ねー」

「……生活態度」

「…………うっせ」


もう放課後なので廊下にも人はいない

部活動に勤しむ人たちの声が微かに聞こえる程度の音しかない空間だが、不思議と居心地は悪くなくて

少しオレンジかかった空は綺麗だった


………あ、手…繋いだままだ


「ロロノアくん、手…」

「いーんだよ」


いや、よくないから言ってるのですが…


相変わらずのおれ様具合


「それに」

「…?」


それに?



















「こうしてた方が……惚れやすいだろ?」


と、ニヤリ顔一つ


その台詞に何も返せず、俯く私

夕焼けをバックに笑う彼は、誰が見ても綺麗だと思った













顔がいいってズルいよね

…心臓に悪いしさ



イケメンマジック
必要以上に胸がドキドキ