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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -



グッモーニン!自分!

なんて爽やかな朝なのでしょう!

でもね!


「よっ」


テンション駄々下がりだよ!


すっかり昨日のことを忘れて元気よく登校した私

しかし教室のドアを開けた瞬間、全身が硬直した


だって、ね

私の席の隣に、緑が…


思い出される昨日の告白

なんで自分は忘れることが出来たのだろう…

あんなに濃い出来事だったのに!


教室の入り口で固まる

正直言ってこのまま帰りたいが、後ろからナミちゃんがきて突き飛ばされ教室にイン!(うわぁあ!)


「邪魔」

「ひ、ひどい!」

「うるっさいわね!こっちは今イライラしてんのよ!」


ひぃぃぃい!八つ当たりだぁぁあ!!


ドスドスと歩きながら自分の席に座っていくナミちゃん

何があったか気になるが、触らぬ神に祟りなし、ここはそっとしておこう





「シカトすんな」

「いてっ」

「早く席に来いっつーの」


ぽこっ、と頭に軽い衝撃

犯人は朝から私のテンションを下げたロロノアくん

一向に来ない私に痺れを切らしたらしく、わざわざここまで来たらしい


…それはいいよ

………や、よくはないが…うん、いいよ


でもね


「…なんで引きずるんですか?」

「お前がいくら待っても来ないからだ」

「…じゃあ、もう一ついいですか?」

「あ?」









「なんで私の隣の席に座るんですか?」

「おれの席だから」

「違うぅぅう!!」


何言ってんだテメェ、って顔してるけど違うから!

あなたそこじゃないじゃん!

私の隣は眼鏡くんだった……ん?あれ、そういえば眼鏡くんは?


ロロノアくんがここにいる、ということはいつもこの時間には席に座っているはずの眼鏡くんが座れない

キョロキョロと辺りを見回すと少し離れた所の席にズーンと落ち込みながら座っている眼鏡くんがいた(そう、そこはロロノアくんの席!)


「ちょ!眼鏡くんあんなに落ち込んでるじゃないか!彼のいる席があなたの席でしょ!?」

「あぁ、間違えた。心優しい彼がここを譲ってくれた」


う、嘘だー!!

だって眼鏡くん顔青ざめてるよ!体小刻みに震えてるよ!!


十割の確率でロロノアくんが彼を脅した(だって、笑顔が胡散臭い)

もう一言二言文句を言ってやろうとしたとき、タイミングが良いのか悪いのか…担任が入ってきた


「よーし、みんなー席に着けー」


気だるそうに号令をかける赤髪のシャンクス先生

今日は珍しく時間通りに来た


「ん?なんだロロノアー、早く自分の席に戻れ」

「やだ」


やだ、って…いくつだお前ぇぇえ!!


「まぁいいや」


いいの!?これ、いいの!?

なんであなたはそんないい加減なの!?


いつもの眠そうな瞳を急にキラリンと輝かせた先生は、グッと立てた親指をつきだし大きな声で言った


「喜べ!我が生徒の諸君!今日は君らが待ちに待った席替えだァァア!!」


だからロロノアー、お前しばらくそこいてもいいぞー、なんていつもの気だるい声はみんなの歓喜に消されていった(一名除く)


「はぁぁあ!?絶対動かねぇぞ!」

「えー、じゃあお前そこでいいよ」

「おれだけここでも意味ねぇんだよ!つーか、何で今日なんだよ!!」


わ、わぁ…ここまで怒鳴る彼は初めて……でもないか

しょっちゅうサンジくんとしている喧嘩を入れなければ…うん、珍しいかな


ギャーギャー文句を言う彼に、サンジくんの声も加わりより騒がしくなった教室


「テメェ我が儘ばっか言ってんじゃねぇぞ!!」

「黙れクソ眉毛!こっちにはこっちの事情があるんだよ!」


いや、どんな事情?別にいいじゃん

席替えしようよ!いや、さして下さい!


ッバァァアン!!


「「「!!」」」


内心手を握りながら祈っていると、二人の喧嘩以上に物凄い音が教室に響いた

その音の原因は


「…っさいのよ、あんたたち」


今日、ものっすごく機嫌の悪いナミちゃんでした


「こっちはイライラしてるって言ってんでしょうが!!」

「知らねぇよ!」

「イライラしてるナミさんも素敵だぁー!!」


それでいいのか、サンジくん

つーか、これ大分担任スルーしてるよね

クラスのみんなもスルーしてるよね


…先生、クラス替えを要求します!


「あんたらに分かるっていうの!?目の前に落ちてた500円を他の奴に取られた私の気持ちが!!」


だから機嫌が悪かったのねー!!そしてやっぱり八つ当たり!!


「100円だったら仕方なく諦めたわよ…でも、500円はッ!!」


知らないよ、そんなこと


クラス全体に自分のがめつさをアピールしているナミちゃん(まぁ、みんな知ってるけどね)


「…勝手に言ってろ」


ボソリ、とロロノアくんは勇気ある一言を呟いた

その言葉にナミちゃんが反応しないわけがなく…


「なんですって!?」

「お前の金の事情なんか知るかってんだよ!!」

「毬藻テメッ、ナミさんに何言ってブゴッ!!」

「「黙れ!!」」


クラス全員で殴り飛ばされたサンジくんに手を合わせた(チーン…)


「だいたい男が席替えごときでうだうだ言うんじゃないわよ!」

「んだとコラァ!!」

「うっさい!!」

「ブッ!!」


ナミちゃんの平手打ち

バチン!といい音をたてながら顔面を叩かれた

そこには小さな紙が一枚


「あんたのくじね」

「はぁ!?」

「これがにまんだの」

「え、あ、ありがとう」


次々にくじを配っていくナミちゃん

そんな彼女にみな、文句は言わない

何故かって?


「さっさと移動!はい開始!!」


彼女がこのクラスで最強だからです(どーん!)

みんな大人しく従う

あのロロノアくんだって(すごいイライラしてるけど)




席の移動が完了し、先生の最後の調整にはいる


あぁ、ナミちゃん…ホントありがとう!!

あのままいったら私の隣はロロノアくんだったよ!


席替えで見事窓側の、しかも一番後ろを獲得した私

私はホント、ついてるかもしれない


ちなみにロロノアくんは一番前だ


………うん、滅茶苦茶機嫌悪そう

貧乏揺すり半端ない


しかし!そんなこと関係ないもんね!

なんたって、私はロロノアくんと物凄く離れてるもん……


「………せ、先生!」


私の隣の席の人、眼鏡くんが震えながら手を挙げた

のほほん、としながらその様子を不思議そうに見つめていたら恐ろしい発言を放った


「ぼ、僕、目が悪いんで前に行きたいです!」








な、な、な、な、


なんですとー!!?

せっかくまた隣になれたのに!嫌なの!?私の隣は嫌なの!?


前と交換したい、だなんて……

………ハッ!で、でも、なにも彼はロロノアくんと変わるわけじゃな…


「で、できることなら教卓の前に行きたいです!」


ほら、教卓の前のひ…と、と……


「だとよ、どうする?」

「おれは構わねえ」


いやぁぁぁぁぁあ!!


ロロノアくんじゃないですかぁぁぁぁあ!!


あまりの急展開で硬直していると自分の荷物(薄っぺらいバックだけ)を抱えて横に座ったロロノアくん


「優しいよな、おれって」

「…そ、そうで、すね」


笑顔はやっぱり恐ろしいヤっちゃん顔

これで眼鏡くんを脅したのだろう(じゃなきゃ、前行きたいなんて言わないし)


……もう、力なく笑うしかない








ハ、ハハ…誰か、助けてください



結果変わらず
諦めは肝心ってことだね