×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



「あ゛ー………」


むしゃくしゃする


なにもかも、に


自分の部屋の天井を仰ぎながら、頭を掻きむしる


欲しいものは絶対に手に入れる

そのつもりでにまんだに付きまとっていたのに


『ゾロくんと仲良くなるために、協力してくれない!?』


………あぁ、ダメかもしんねぇ


先公に呼び出しが意外に早く終わり、まだにまんだがいることに期待していたら、知らないやつの声が聞こえた

しかも自分の名前が出てくるもんだから、気になってバレないように教室内を覗いた


そしたら、さっきの声の主であろう女が喜んでた




さっきの言葉と、今の光景を足したら







…………あー、そうか

にまんだはおれのこと、どうでもいいんだ


その女と比べて声の小さいにまんだだから実際に聞いた訳じゃねぇが…きっとそいつを応援したんだろう




つまり、まだにまんだはおれをそういう対象として見ていないっつーわけで






「………はぁ」


むしゃくしゃする




急に出てきた女にも

なかなか落ちないにまんだにも



…そして一番イラつくのは、まだ三日目にして諦めてしまいそうな自分




………結構いい雰囲気だと思ったのになぁ、くそ


難攻不落にもほどがあるぞ、これは


深々とため息を吐き、近くにあったペットボトルに手をかける(中身?ただの水だよ)













「500…えーん!!」

「ブホォ…!!」


勢いよく開かれたドア

飛び込んできたのは、昔からの付き合いのある…つまりは腐れ縁のナミだ


「げほ…うっ……げふっ!」

「え、汚い」

「ざけ…ん、な!」


テメェがいきなりくるからだよ!バカか!?


確実に水が気管に入った

そんな苦しむおれを余所に財布を探すナミ(不法侵入のうえに、窃盗か!)


「500円のためだけに来たのか…」

「あんた500円舐めんじゃないわよ!」


あーもー、わかったよ

言い出したのはおれだしな


バックの中を引っ掻き回しているこいつをさっさと追い出すためにポケットの中に入れていた財布から500円を出し渡した


「ほら、もう帰れ…」


おれは今暇じゃねぇんだよ


再び横になりこれからについて考え込む


………つもりだが、何故かナミが帰らない


無言でおれを見つめながらニヤリとひと笑い


……なんだその笑みは


「ふふん、流石のおれ様男もお手上げみたいね」

「あ?」

「仕方ない………1000円払いなさいよ」


そう言って携帯を出し、いきなり電話をし始めた

その相手は


「にまんだ?今いいかしら」


…………おれの悩みの原因らしい


突然の行動に意味がわからないし、なんだか会話の内容を聞きたくない

しかし、相手が相手なだけに自分の意思とは関係無くその会話に意識を集中してしまう


「にまんだはさ、ゾロのこと好きなの?」

「!!」


何聞いてんだテメェは!?


そう叫ぼうとしたら枕を投げつけられ、黙る(…女じゃなきゃぶん殴ってんぞ)


「…………にまんだ、それは女友達の場合?それとも男友達?」


何がだよ


会話の内容がまったくわからない


「どっちにしてもそれは、自分の好きな人が取られちゃうから悲しいんだと思うの」


……………わからない、が


「にまんだはさ、その人といたときどうだった?楽しかった?」


なんでだ、顔がドンドン暑くなってきてんぞ


「じゃあ、これからもその人と一緒にいたい?」


ナミの後ろ姿を見ながら、電話の相手を想像する


「なら好きなんじゃない?もちろん、恋愛の方でね」

照れているのだろうか、それとも困った風に笑っているのだろうか


急に途絶えたナミの声

微かに聞こえるにまんだの声




ついさっきまで悩んでいたことなんか、どこかへ飛んでいってしまった


「あんた、バカ」


ホントだな


「もう答え出てるじゃない」


あぁ、とっくの昔から


「要するににまんだは、初めのうちはあんなに否定してたから認められないだけなのよ。そんなの忘れて、もう一度よく考えてみなさい」


考える?んなまでもねぇよ


「…じゃ、答えは明日聞かせてね。ばいばーい





……………というわけなんだけど、どう?悩みは解決した?」

「…………見りゃわかんだろ」

「そうね」


あいつがおれのことをどう思ってるかなんて、正確にはわからないが……これは期待しても構わないだろう


ピロリーン


「……………なにしてんだ、おめぇ」

「ん?いや、あんたに見せてあげようと思って」

「あ?」





「ほら、真っ赤な顔」


差し出された携帯画面には、口元を押さえながら耳まで赤くしている…なんつーか、まぁ…気持ちの悪い自分がいた


「ホント、一目でわかるわ」

「…うっせ」







……チクショウ、早く会いてぇな



















「悩み解決に1000円ね」

「…おう(高い…)」

「そんなゾロに相談したいんだけど…今この画像を一斉送信しようかどうか迷ってるの

どうしたらいいと思う?」

「………………………………………………………………いくらだ」

「2000円」

「高っ!」

「………そーうーしー…」

「だー!おら3000円!!」

「毎度ありぃー、ふふふっ」



もう一人の相談者
彼の場合は有料で