×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -



チャイムが鳴ると同時にあけられたそこは、昨日も来た屋上

移動中ずっと担がれてたので視線を集め恥ずかしかったが…よくよく考えれば私は大きな声で彼に告白をしたのだった(もっと恥ずかしい!)


下ろしてもらい、ロロノアくんと向き合うが……顔が見れない(誰か穴を用意してください…!)


「………なぁ」

「は、はい」

「もっかい言ってくんね?」

「へ?」


もっかい?何を?


………いや、流れ的に告白をだよね


キュッと拳を握り、顔をあげるといつも通りの表情……に軽く赤みがかっている頬が追加されている


同じ気持ちであることはお互いにわかっている、が


「…………ダメだよ、ロロノアくん」


私はあなたと付き合う資格がないよ


そう自分の口で言うと、目から再び涙が溢れてきてしまった


「な、んで…」

「だって…だって……あの子に申し訳ないよ…!」


たくさん傷つけちゃったのに、私だけ幸せになんてなれない


ポロポロと泣いていると、力強く肩を掴まれた







「………知るか」

「……え?」

「おれが好きなのはにまんだで、にまんだが好きなのはおれだろ」


落ち着いた声

でも、心の奥は穏やかではないということが肩を掴む力でわかる


「…お前は、自分やおれよりついこの間知り合ったやつを優先すんのか」

「それは…わ!」













「…………ふざけんな、お前が素直になるまで離さねぇぞ」


肩を引かれた瞬間、身体全体が暖かくなって…ロロノアくんに抱き締められていた






…あぁ、ホントに私は単純でズルい女だ

ロロノアくんに抱きしめられるだけで…もうなんでもよくなってしまった


大きな彼の背中にそっと手を添える




ごめんなさい

私は彼女の気持ちより自分の気持ちを優先します








「す………きで、す」


恥ずかしいとか照れ臭いなどという感情を捨て、抱きつく

彼の返事を聞くよりも、今は彼の腕の中にいたいと思い顔を埋める











つもりだったが、ベリッとおもいっきり剥がされてしまった

突然のことに目が点になる


「………言ったな」

「え?」

「今、好きって言ったな」


最初の、彼が私の肩を掴むという体勢に戻ってしまった

ただ、違うのは



ロロノアくんが俯いていて、表情が見えないところ




………あ、あれ?なんか空気がかわったぞ?


「言ったよな」

「う、ん…」

「はっ!撤回は聞かねぇぞ」


え、ちょ…ま!

今なんで笑ったの…


ねぇ!あの、ロロノアくーん!?


「にまんだ、おれは結構嫉妬深いぜ?」

「え、あ…うん、なんとなくわかるよ」

「バカ、今まで以上だっつーの」


マジですか


「とりあえず」


ゆっくりと顔をあげたロロノアくんは、告白されたときに見たあのヤッちゃんのニヤリ顔


先程までのシリアスムードから一気にいつものムードに戻り混乱する


「嫌だっつっても離さねぇから」


二度と


顔には恐怖を感じたが、この言葉には嬉しさしか感じなかった


この先も彼に振り回されるだろうが、それでさえ幸せを感じてしまう私に選択肢は一つしかないのだろう


「私だって離さないよ………きっと」

「きっとかよ」


朝の清々しい空気と大好きな彼



これぞ青春の一ページ!
























「あ、そうそう」

「なに?」

「もう我慢とかしないから、よろしく」

「……………はい?我慢?何の?」

「さぁ?考えてみろよ」

「……………………我慢?」



青空の下の春
略して青春!