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- ナノ -

〈ウソップ編前〉



「ナミさーん!」

「なに?」

「トランプやりましょう!」

「………はぁ?」


うっ…眉間にシワをよせられた……

で、でもがんばれ私!


ナミさんと友達になった私は友好関係を深めようと、奇跡的に持っていたトランプを出す


「なんで「いいな!やろう!」

「ルフィさん…」

「なにやるんだ?」


私の話を聞いていたらしい(まぁ、狭いしね)ルフィさんが、私からトランプを取り上げ配り始めた


「ババ抜きぐらいじゃねーの?ルフィ入れてできるのっつったら」

「失敬だな」

「…しかたないわね」


!やった!


半ば諦めかけていたのだが、ルフィさんのお陰?でナミさんがトランプをやってくれるようだ


「ゾロも参加よ」

「なっ!?」

「ゾロさんもやってくれるんですか!?」

「……………あぁ」

「やったぁ!」


なんか今日、みんなノリがいいぞ!


こうして狭い船の中で四人が集まり、ババ抜き大会が開催されたのだった










―――――……





笑顔に断れず、やる羽目になってしまった…


チッ…大体なぁ

ババ抜きなんか本当はやる前から勝敗決まってんだよ


この、二人がいる時点で



「「………よし」」


……なにがよしだ、おい


小さくガッツポーズをとる二人に呆れ果てる

この二人が喜んでいて、おれの手持ちにババがないなら、ナミが持ってるということがわかった


配ったのがルフィなのでルフィから始まる

ルフィがおれのを取り、ナミがルフィのを取る

そして、アルトがナミのを取るのだが…


「…………」(ズーン)

「…………」


引いたな、ババ


あまりにもわかりやすすぎる


スッと一枚のトランプに手をかけると、今の落ち込みようが嘘みたいに輝いた

それを無言で見つめ隣のトランプを掴むと、またズーンと落ち込むアルト


…地味に、おもしれェ


吹き出しそうな所を押さえ込みながらババではないトランプを引く


「あぁー……」

「クッ…」




こうして何周もしていき、残ったのはおれとアルトになった


…ナミはいいとはいえ、ルフィは運が良すぎるだろ


まぁ、おれが負けることはねェがな



おれの手持ちは一枚

アルトは二枚


引くのはおれ




………勝ち、決まったようなもんだろ


そう思い、ババではない方に手をかけた


が、ふと思う



…ババ引いてあの落ち込みようだったら

負けたらどうなる?







……………

……泣くかもな


「ゾロさーん、早く引いてくださいよー」

「ナミー、腹減ったー」

「我慢しなさい」


おい、そこ

何飽きてんだ


……………って、そんな場合じゃなかった…

引かなきゃな




……はぁ
しかたねェ


スッと一枚トランプを取った

するとアルトの表情は次第に明るくなり


「やった!」


と、ガッツポーズ(だから、もろバレだって)(つっても、おれしかいないけど)

残り一枚となったアルトはうきうきで、おれのトランプを手にしたが…






















「もう一回!もう一回!!」

「い・や・だ」


結果はアルトの負け

あのあと、おれのババを取ったアルト

呆れながらもおれがまたババを取ってもまたこいつがババを取る

ババが何往復もし、いい加減疲れたおれはアルトを勝たすことを諦めたのだ


「次なら勝てます!」

「何を根拠に…」

「だって接戦でしたよ?」


んなわけあるか!!


ガクッとうなだれながらおれは二度とアルトとトランプをしないことを決めた





ババ抜き+アルト

=こいつには不向き



(ナミさーん!接戦でしたよね?)(…えぇ、そうね)(どこが!!)



(第二回戦目、やるか?)(やります!)(絶対やらねェ!!)