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「#幼馴染」のBL小説を読む
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ローとの関係が幼馴染から恋人になって数年。そんなローの船に乗って数ヵ月

危険なことはたくさんあったけど、何だかんだで楽しく航海をしている





「へぶしゅッ」


うぶぅ…最近寒いなぁ

経験から推測すると冬島が近いね


だらしなく鼻から垂れるそれをズビッとすする

今の時刻は朝方なので、私のことを必要以上に気遣うクルーのみんなはまだいない(そんなに気遣わなくてもいいよ、て言ったら)(船長の女に何かあったら大変だ!)(…だって)


静かな空間

床に腰を下ろし、朝日で光る海を黙って眺めた


何分か、何十分か、逆に数秒だったかもしれないこの貴重な時間

小さくあくびをしたとき、背後から腕が伸びてきたことによりそれは終わってしまった


「………何してんだてめー」

「ロー?」

「んな、早い時間に、海なん、か見て…」


台詞がたどたどしい。どうやら寝起きのようだ


まだ眠いのね…体温もいつもより高いみたいだし


先程の私のあくびが移ったのか大きく口をあけあくびをするロー

お腹に回された刺青の入った腕を優しく叩く


「眠いなら寝てればいいのに」

「抱きまくっ……お前がいねぇ」

「…………………」


今なんて言った?ん?

甘い言葉で誤魔化そうとしても無駄だからね、聞こえたからね


しかしまぁ、私に彼が抱き付くことによって彼の睡眠がいつもよりよく取れているのは事実だから、あながち抱き枕も間違っていないだろう


「……で?何考えてたんだ」

「へ?」

「なんか考え事してただろ」


「そんなアホ面してた」と言ってローは私の頬をつつく(ア、アホ面って…ッ!)


彼の発言にムッとするもこんなのはいつものことなので軽く流す

つつく行為からつねる行為に変わり話しにくくなった口で「体力作りでもしようかなぁて思ってさ」と考えてたことを話す


「そりゃまた突然だな」

「ん、だって…この前の戦闘でだって私危なかったじゃない?」


ローがこの海を出るとき、私は足手まといになるだろうから待ってるって言ったよね?

でもローは「いいから来い」って言って強引に連れてってさ……


「とっても嬉しかった…けどさ、やっぱ足手まといは嫌だからせめて自分のことぐらいは…と思って」


これから何が起こるかわからない

だから強くなりたいって最近よく考えてたの


重心を傾け背中で彼の熱を感じる

お互いが無言になったため波の音しか聞こえない

特に居心地が悪いわけではないのだが無反応だと少し困ってしまう


何気なく彼の大きな手に触れると、ガシリと力強く掴まれた


「別に強くなりたきゃ勝手に頑張ってろ」


うわぁ、流石おれ様

こっちは真剣なのに


「お前がおれの隣にいるんなら、なんだっていい」

「!」

「特訓でもなんでも付き合ってやる。……だから、今は寝かせろ」


相当眠かったのか、かすれた声のロー。耳元で呟かれたためくすぐったく身をよじると控えめのリップ音が

驚き目をぱちくりさせながら頬を押さえる

固まる私にもう一言だけ呟いた彼は、座ったままの体勢で寝てしまった


………強くなるのもいいけど、

女の子としては、好きな人に守られてるこの状況を手放すのは勿体ないのよね、うん





『強くても弱くても、お前を手放すつもりはねぇからな…覚悟しとけ』





相思相愛
【そうしそうあい】
互いに愛し合っていること



「………なぁベポ、なんでこの二人は甲板で、ものっすごく幸せそうな顔して寝てんだ?」

「さぁ?でもいいんじゃない?じゅうまんだもキャプテンも幸せそうだから」

「そうだけどよォ…独り身のおれらにゃ、辛いぜこれ」

「そうなの?」

「………あー、いや。熊のお前に言っても無駄だったな、悪い」







__________

のぞみさんリクエストのロー船長でした

特別指定がなく私なりの甘いのを目指してみましたが…どうでしょうか?
甘さが足りない?いや、これが今の私の限界なんです
四字熟語も定番な感じです。捻りなくてすみません


少し短めになってしまいましたが、気に入ってくださると嬉しいです!

では、リクエストありがとうございました!