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小さくて

白くて

へらへら笑って

直ぐに泣く


……あぁ、あとアホ







「…………ホンット、お前はよく海に落ちるよな」

「……面目ないッス」


あははー、と気まずそうに笑いながら頭を掻くじゅうまんだ

今言ったようについ先程海に落ちたのだ


……まぁ、いつもと違って溺れなかったけどよ


それでも間抜けな悲鳴と派手に上がる水しぶきは、心臓に悪いので勘弁してもらいたい

ちなみ、本日の落下原因は半分寝ながら釣りをしていたため(もちろん、既に頬はつねり済み)


「いやー、ね!天気がいいから…ね!」

「ね、じゃねぇよ。とりあえず頭しっかり拭け」


海に落ち、ナミに強制的に風呂に入らされていたため髪から水が滴っている

これではせっかく風呂に入ったのに体が冷えてしまう

じゅうまんだは「短いから直ぐ乾くってー、あははー」なんて笑い、その数秒後馬鹿デカイくしゃみを一つした


しばらく続く沈黙





「……タオル、貸せ」

「……嫌じゃない?」

「いいから貸せ」

「お、お願いします」


世話のかかる奴だな、まったく…





おれよりは長いがルフィより短いこの白い髪

確かに直ぐ乾きそうだ(それでも拭くけどよ)


「んー…懐かしいなぁ」

「あ?」

「たまぁーに、本当にたまにね、マイルさんに拭いてもらったんだ」


そんで、拭いてもらってる間は私がダンさんの髪を拭くの


そう懐かしそうに呟くじゅうまんだ

今は頭しか見えないが、きっと楽しそうに、嬉しそうに笑っているのだろう


「………………」

「え、ちょ…わしゃわしゃし過ぎだって!前見えないよ!」


うっせ、お前が悪い


認めたくはないが、過去に経験したこの感情(つーか、その)(…あぁ、うん)(……嫉妬)

その相手がまだ恋愛対象にはならない家族ならいいのだが


「ねぇ、ゾロさん。サンジさんがキッチンでミックスジュース作ってくれてるから行ってきて、むぐっ」


………それ以外がめんどくさい


頭を拭いていたタオルを顔の方に持っていきそれを引っ張る

やられてる方は息は出来るだろうが、堪ったもんじゃないだろう


………でもよ、これも


「ゾロさーん、何も見えないよー?息苦しいよー?も、もしもーし?」

「…………ケッ」


お前が悪いんだから、仕方ねぇ











小さくて

白くて

へらへら笑って

直ぐに泣いて

アホで



ときどき、なんでこんな奴を好きになったんだろうって考えちまうけど

答えがでねぇまま、嫉妬してんだよな





意中之人
【いちゅうのひと】
心のなかでひそかに思いを寄せている人



「あーもー!何したいのさ!」

「…何って言われてもなぁ」

「特に意味なくやってるの!?止めようよっ!」

「あー、じゃあ嫌がらせで」

「なおさら止めてよ!」




いや、これはこれで結構楽しいから…

………もう少しやる







__________

泪さんリクエストの『連載主に想いを寄せるゾロ』でした

…頭拭き拭き話は他のところでも書いてたことにあとから気付き焦りました。とりあえず矛盾点はなくしましたが……あ、ワンパターン言わないでもらいたいです(´`;)

………泪さんが喜んでくださればと思います、はい

ちなみに船の上なのに他メンバーいないの?っていうツッコミはなしの方向でお願いします!←


それでは、リクエストありがとうございました!