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「#幼馴染」のBL小説を読む
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決意したからには実行しなきゃならねぇ

待つ、なんざおれの性分じゃねぇからな





…………でも


「じゅうまんだの方が量多くてズリィぞ!」

「へっへーん、いいでしょー」

「半分わけろ!」

「おれにもだ!」

「ヤダよーん、だ!」


………馬鹿を振り向かすにゃあ…どうすりゃいいんだよ


エロコックと違い女を口説く知識はないし、あったとしても色気より食い気のじゅうまんだを口説いても無駄だろう

それでもこちらから何かしない限り、あいつの中のおれは仲間から変化はしない


「………つっても、何すりゃいいんだよ」


ポリ、とスナック(ちなみにこれが本日の菓子だそうだ)(…まぁ、食いやすい方ではあるかな)を口に含みながら目の前で馬鹿をやってる奴らを眺める

先程も言ったが女を口説くなんつぅことはやったことがない。過去の経験から絞りだそうも、経験がないのだからそれもできない


………あ゛ー、スッゲェめんどくさくなってきた

なんでおれこんなこと考えてんだし

こういうことはエロコックの野郎がやってれば……





……………ん?エロコック??


動かしていた手をピタリと止めキッチンに視線をやる

考えて数秒、死ぬほど嫌だったが女を口説くような輩はあいつしかいないので、しぶしぶあの野郎を見本にする(ホッントに嫌だったが)(死ぬっほど嫌だったが!)


また一つ菓子を口に運び、とりあえずは頭の中で行動に起こしてみた



結果、





「……ん?ゾロさんうずくまってどーしたの?お腹痛いの?」


………んなこと出来るわけねぇだろ!!馬鹿じゃねぇの!?


…結果、おれがあんな気持ち悪くクネクネ出来るわけがなかった。アホなことが言えるわけなかった


あぐらをかき落ち込むおれに心配したらしく駆け寄ってくるじゅうまんだ

大丈夫だと言う意味を込めて菓子を持っている方の手をあげたら、何を勘違いしたのかそれにかぶり付いてきやがった(な、なにして…ッ!)


「いやぁ、ごめん。自分の分もう食べちゃったんだ」

「だからって、おま…………………いや、やっぱなんでもねぇ」


動揺してるおれと違ってニコニコしながら口をもごもご口を動かす

口説くとかそんなことよりも前に、まずは男として意識をさせなければいけないようだ


………ようだが





「……………おれの、食うか?」

「え!いいの!?」


そんな物欲しそうな顔されちゃあな

相当この菓子を気に入ったのか、残りを全部渡すと鼻唄混じりで食べ始めた


「ふっふーん」

「………………」

「ん?…食べたい?返そっか?」

「いや、いい」

「そう?食べたかったら言ってね!……ふふふーんっ」








なんつぅか、まぁ、その………和む

和む、がだ



なんかこれ





「…………餌付けみてぇ」

「え?食べたい?」

「いや、気にしねぇで食え」





熟慮断行
【じゅくりょだんこう】
十分に考えた上で思い切って行うこと



「…………じゅうまんだ」

「なに?」

「…………食べかす、付いてた」

「ありゃ、ありがとね!」

「……………おう」




……行動起こしてもこれだよチクショウ

なんでおれが照れてんだ







__________

クリュウさんリクエスト『連載主を振り向かせようとするゾロ』でした

………これ、書き終わって気づいたんですけど行動考えるだけ考えて行動に起こしてなかったですね。最後に無理矢理押し込めましたが。…すみません

…クリュウさんのご希望に応えられているか不安ですが、気に入っていだだけると嬉しいです!

リクエストありがとうございました!