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「#幼馴染」のBL小説を読む
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己の野望を叶えるのに近道はない

日々の積み重ねが大事だ


今日もこうして通常の倍以上もあるダンベルを上下に動かしている

やり始めてしばらく、きりのいい回数になったら一旦休憩でもしようかなんて思っていたら


「ゾロさん!」

「ん?」

「それ貸して!」


思っていたら、少し汗をかいているじゅうまんだが来た


……いや、それよりちょっと待て

今、なんつった?

え?貸せ?何を貸せだって??


じゅうまんだの言葉に多少戸惑うも左右の腕は休めず動かす

無言のおれに向かってもう一度じゅうまんだは「それ貸して!」と言い、動くおれの腕を指した


それ、とはもちろんダンベルであって


「………これか?」

「うん!」


確認したが、やっぱりこれだった

何故突然そのようなことを言うのか、疑問はあったが断る理由がなかったので左手の一つを床に置いてやる





やるが、まぁ…うん




「ありが、とっ…うんがぁぁぁあぁあ…!!」





…………あ、やっぱ持てねぇか


通常の倍以上もあるそれを持つにはじゅうまんだの腕じゃ細すぎる

案の定それは床から一センチほどしか浮いていない(それも両手を使って)


腕に限界が来たのかそれを床に戻し、じゅうまんだ自身も倒れこんだ


「うぅっ…ちくしょー!」

「無理すんなって」

「…そうだ!腕立てしてからやればいいんだ!」

「……………」

「よーっし!いち!に!さん!」





…ダメだ、聞いてねぇ

つーか、なんで急にこんなこと始めたんだ?


いつもならルフィやウソップと走りまわったりしているはずなのに

その疑問は意外に早く解決された



腕立ての方も早々に力尽きたじゅうまんだはまた倒れこむ(まぁ、これも予想通りだな)

そしてごろりと仰向けになり黙って右腕を動かすおれを見た








「……………がんばるよ、私」

「は?」

「がんばって私、強くなるからね!」


そう言ってじゅうまんだは反動をつけて体を起こし、走っていった

どうやら次は走り込みでもするようだ


うぉぉぉお!と叫びながら全力ダッシュをするその姿を見て思わず笑いがこぼれた(そういうことか、)








何で急にやり始めたかは知らねぇが…まぁ、ワリィことじゃねぇし

あいつ自身が強くなろうと努力してるのに止める理由なんかあるわけねぇ


………ただちょっと無茶してるみてぇだけど


それでも初めのうちはそんな風でもいいだろう


そう思いながら床のダンベルを持ち、じゅうまんだが来る前の状態に戻った













強くなるのもいいが…

まだ、おれがこの手で守ってやりたい


なんて思ったのは




……ここだけの話





猪突猛進
【ちょとつもうしん】
周囲の配慮などおかまいなしに、がむしゃらに進むことのたとえ



「うぉぉぉお!目指せ50往復だぁぁあ!!」

「…って、ちょっとじゅうまんだ!あんたそのまま行くと…!!」

「う、ぉあぁ!?」


バシャーンッ!


「うぶぅ…ッ!」

「あぁ、もう…ッおバカ!!」







「…………………」


やっぱダメだ

直ぐにやめさせよう







__________

なーさんリクエストの『連載番外編』でした。特別指定がなかったので私の自由に書かせてもらいましたが…どうでしょうか

正直言って四字熟語と内容が一致しているか不安です…


このような作品になりましたが気に入っていただけると嬉しいです!

リクエストありがとうございました!