冬の海は冷たいを通り越して痛い。そんな所に飛び込んだら体調を壊すのは当たり前だ そんな当たり前の少女が、ここに一人 「ふわっ…ぶふぇしょい!!!!」 盛大なくしゃみをしたじゅうまんだの鼻から垂れる鼻水 頬を赤らめ額に氷のうを乗せる彼女は、誰がどう見ても風邪だった。理由は冒頭の言葉を通り 「じゅうまんだ、」 「……う、う゛ぅ…」 寝てる、か 短く、思いの外柔らかい髪の毛を男が撫でる。今は乾いているが、先程まで冷たくびしょ濡れだった その原因を思い出した男、ゾロは深いため息をつく っとに、あのアホ船長はどうにかしねぇとな じゅうまんだが落ちた訳…それはあの船長が突き落としたからだ 何故そうなかったか知らないが、間抜けな悲鳴のあと派手な水飛沫を見たときは心臓が縮んだ気がした 「う、ぐ…けほっ…」 …風邪ってのは大変だな 苦しいのか先程からずっとうなされているじゅうまんだ。生憎風邪など引いたことのないおれはこの苦しみがわからない 早くよくなるよう思っていたら、小さな手の平が空に伸ばされた 「…う、う……やぁ」 ………てか、これ 「…や…やだ、いや……う゛」 「…本当に風邪か?」 うなされてる原因は 何かに怯えているように見える。いや、ぜってぇそうだ ついには涙まで流すじゅうまんだに、慌てながら頬を軽く叩いてやった しかし相手は起きる気配がない 「じゅうまんだ、じゅうまんだ」 「ひぐ…っ」 ちょ、おま…若干マジ泣きじゃねぇか! ぶわっ、と溢れだしたそれにこちらも本格的に焦り出す。しかし相手が寝ているためどうしようもない いったい何にんな怯えて……あー!くそっ、寝ててもめんどくさいやつだな! 伸ばされている手に触れても握り返されることなく、それどころか拒絶さえされた おれが拒絶されたわけじゃねぇのはわかってんだが…まぁ、いい気はしねぇな それどころか、結構へこむ(ハッ、情けねぇ) こんなとき、あいつらならどうにか出来るんだろうな。なんて 頭に浮かぶこいつの家族に勝てる日は程遠い 「あう…い、や…うぅ……!!」 「じゅうまんだ、」 わりぃな、力不足で 最後の手段、病人にやるのはためらわれたがこれ以上じゅうまんだに辛い思いをさせたくなかったため、無理矢理起こそうと手を伸ばした(いてぇけど、勘弁な) ゾロの上げた手は赤みを帯びる彼女の頬に向かって下ろされた しかし、それは途中で止まることになる 彼女の言葉により 「…ッさすがに、生でにんじんはたべられましぇん……!!!」 「………………」 約五秒の静止 そのあと彼の手は当初の予定よりも速い速度で振り下ろされた 悪戦苦闘 【あくせんくとう】 困難にうちかつために懸命に努力すること あー、くそ。おれが馬鹿だった あんなクソ真面目に悩んだおれが馬鹿だった こいつの悩みなんてそんなもんだよなチクショウ覚えてろよ つーか、何でお前はいつもいつもいつもいつも!雰囲気をぶち壊すんだよ ………あ゛ー…!先が思いやられる!! 「……自己嫌悪に浸ってるとこ悪いけど、なんであの娘の頬、こんなに腫れてんのよ」 「…頼む、五分そっとしておいてくれ」 「ぶえっ…しょい!!!」 __________ ナナさんからリクエストを頂きました ゾロさんアピール少ないよ!と言われそうですが、まぁ夢主ダウン中なので… そして謝りたいことが…せっかく頂いたリクエストメールが流れて消えてしまいました。申し訳ありません メモをしていたので簡単な内容はわかりますが、細かいリクエストが確認できませんでした せっかくリクエスト頂いたのに…本当にすみませんでした このようなことになってしまいましたが、受け取ってくれればなと思います では、リクエストありがとうございました! |