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私は他の人より劣っていたから、それを使って補っていた

それがないと生きていけない、とまではいかないが私生活に支障が出る








パキッ


「!!!」

「あ、なんか踏んだ」

「な、な、な…何てことをぉぉおー!!」


それとは、私の相棒…いやもはや私の一部といっていい眼鏡のこと。そんな眼鏡が今、七年という生涯を終えた

てか、終わらせられた


鮮やかな緑くん、つまりゾロの足元にあるのはかつて眼鏡、現在ゴミクズのそれが


いやいやいやいや、何しちゃってるんですか!?「わりぃわりぃ」って笑いながら言ってるとこ悪いけど、結構な問題起こってるんだよ!?


「わかってんの!?」

「おい、お前は誰に向かって話しかけてんだ」

「え?」


何ってそりゃあゾロに「それウソップ」マジかよ。いやでも緑色が見え「あいつ今日緑色のシャツ着てんぞ」なんで今日に限って?


そりゃウソップはいろんな服持ってるけど、今まで緑の服着たことあった?

………いや、そうだよ。ウソップは悪くない


「悪いのは君だ!」

「だから、悪かったって」

「誠意が感じられないよ!」

「な、何があったんだ?」


目の前で言い争う私たちにウソップは慌てる。なので、こいつが眼鏡を壊したことを伝えた


「眼鏡ないと何も出来ないのに…」

「それぐらいで大袈裟だな」

「大袈裟だと!?」


今までずっと眼鏡してたっしょ!?
オシャレ眼鏡とかじゃなく、度有り眼鏡を!

色はなんとなくわかるけどね、形なんかほとんどわかんないんだよぉお!!

それをおま、おまっ…お前は…っ!





「……わかった、わかったよ。お前にとってどんだけ眼鏡が重要なのか。だから樽に向かって話しかけんな」

「…もうそれ、色もわかってねぇだろ」

「ん?」


背後から聞こえた二つの声に動きを止めた

同時に吐き出された息にいたたまれなくなった私だった(…だから言ったじゃん)(目が悪いってさ)













「と、いうわけだ。おれが責任もって介護してやる。おら、食え」

「介護ってなにさ、介護って」


ずずい、とつき出されたオレンジ色。本日のお昼はパスタのようです

「仕方ねぇから世話してやるよ、仕方ねぇからな」と同じことを繰り返し言ってくるゾロに内心イラッときたが、まぁ悪いのはあちらなので任せることにした





「…ゾロくんやゾロくんや、君は何がしアッツゥウ!!」

「手が滑った」

「はい嘘!」


私の口元にパスタの絡んだフォークをつき出された。(先ほどの介護宣言のおかげで恥ずかしさはなかった)

それはいい、そこまではいい


ぐあっと口を開けてしばらく。一向に入ってくる気配がなく、仕方なくこちらから食べにいくがかわされ


食べにいく

かわされる

食べにいく

かわされる

食べにいく

かわされる


……からかわれていると理解した私は、なるべく冷めた目で見てやろうと(見えないけど)声を発した、瞬間


熱々パスタがお鼻にジュッ


……はっはっはっは


「そろそろ殴るよ?」

「当てられるもんならな」


うっはー

その顔…は見えないけど、めちゃくちゃムカつく顔してるー。絶対してるー


大勢で囲む楽しい食卓とは思えない私たちの空気

しかし周りにはこのやりとりがただのじゃれ合いに見えたようで


「…イチャつくなら外でやって」

「ナミ!?今のをどう見てそうなっちゃったの!?」

「それチョッパー」

「…サイズで気付けよ」

「……………」


あぁ、眼鏡くん。あなたが恋しい…


いつも傍にいてくれるモノがいなくなる寂しさ。…うん、今の気持ちを例えるならこうだ


しょんぼりしながら右手にあった飲み物に手を伸ばす。口に付けたとき、ふと気づいた


それを自分のパスタをもふもふ食しているゾロに声をかける


「あんだよ」

「いや、さ。さすがに私、食べ物食べるぐらいなら普通に出来るんだけど」

「………………」


…………部屋の中が静まり返った(…いや、ルフィの食べる音はするけど)

みんなの視線が私のコップにいき、その後すぐにゾロに向けられた

フォークをくわえたまま固まる彼は数秒固まったあと


「お、まえなら食事ぐらいでもミスすん」

「もしかしてじゅうまんだに食べさせたかったとか?」

「んなわけあるかぁー!!」

「ぬべらっ!!!」


私の顔面にあっつあつのあれが勢いよくダイブ。もちろん私は声にならない悲鳴をあげた(もきゃぁあー!!)


「誰がこんなやつに!まるでおれがこのアホのことをす、す、す…ッ!」

「好きなんでしょ」

「なにぃ!?クソ毬藻のくせに!!」

「ちげぇ!!おれぁ、こんなやつ…!!」


涙目になりながらチョッパーから冷たいタオルを受け取った(だ、大丈夫かっ?)(う、うん…)

みんなの表情は窺えないがきっと同情してくれているのだろう。だって、優しく肩に手を置かれた(…だあれ?)(…おれ)(あ、ウソップ)


は、鼻にトマトソース入ってるかも、これ

くそう!私に何の恨みがあるんだ!


「…嫌いじゃねぇよブワァカ!!」

「……へっ?っていだぁ!!」


ベタベタする顔を気にしていたので周りの会話を聞いていなかった

なので気付いたときにはゾロに頭を叩かれていた。「何すんのさ!!」直ぐに怒ったが相手の行動の方が早く、ドアが勢いよく閉められたところだった


「うぐぐっ…いったい何がしたいんだっ」

「ゾロ病気か?おれ必要か?」

「飯食えば元気になるだろっ!」

「…とか言いつつゾロのパスタ食ってんじゃねぇか!!」





「ツンデレに鈍感…これは長期戦ね」

「いや、あんなことされちゃあ普通は気づかねぇよナミさん」





唯我独尊
【ゆいがどくそん】
ひとりよがりの態度のこと



「ねぇ」

「ん?その声はロビンかな?」

「えぇ、そうよ」

「なに?」

「あなたは剣士さんのこと好き?」

「へ?好きだよ?」


ガタッ

ガシャンッ!!!


「………ねぇねぇ、ドアの向こうで大きな音が」

「………聞いてたな、あの毬藻」

「そして動揺したわね」

「ふふっ」







__________

赤月さんリクエスト『俺様不器用なゾロ』でした

もう四字熟語の意味にかすってすらいないという…

……うぅ、違うんです違うんです。四字熟語の意味に合うよう話を考えたんですが………私の頭じゃ無理だったんです

とりあえず、「誰にも力を借りずひとり(よがり)でがんばってアピールしてる」ってことで!…無理矢理すぎですかね?


そして内容の方も上手くまとめることが出来ませんでした。さらに言ってしまえば完成が遅い!

……よければ受け取ってくれると嬉しいです


ではリクエストありがとうございました!