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活気もあり、人々も笑顔で生活が送れる素敵な町

そんなところの道のど真ん中を歩く緑と金色と白

三人が醸し出すものは先程言った町の雰囲気にそぐわないものだった


そのせいで町の人々は怯えている


………いや、おれも好きでこんな奴とこんなイライラしながら歩いてるわけじゃねぇ

船に待機中の人でなしがワリィんだ


思わず舌打ちをしたくなるも、これ以上無関係の人間を脅すのはよくないので眉間にシワを作るまでに止めた


何故この三人で歩いているのか、簡潔にそのことを述べるなら『じゅうまんだの着る服を買うため』だ

あまり見た目を気にしないじゅうまんだ。そのため持っている服は二、三着しかない。女としてそれはどうよと思ったナミが、おれに5000ベリーを渡し「値切って値切って、値切りまくってきなさいよ」と笑顔で言ってきたのはついさっき


女相手に、しかも威圧されて折れるたぁ…おれもまだまだだな


結構なショックだったため、眉毛の「おれも行くぜ!…いや、おれが行く!」という台詞は右から左と耳を突き抜けていったのは…仕方ない


「ふぉぉお…!!ゾロさん、あれ美味しそう!食べたい!買って!」

「……お前、何買いにきたのかわかってる?」


服買ってこなきゃマジ殺されるから

おれらが


「じゅうまんだちゃん、あとでまた買いに行こう」

「でも5000ベリーもあるんだし…」

「…服って結構高いんだぜ、じゅうまんだちゃん」


…そうなのか

だから値切ってこいって言われたのか


尚更無駄遣いは出来なくなった。そして普段値切りどころか買い物すらあまりしないので、5000ベリーに抑えられるか心配になる


まぁ、店員が男なら脅してみるが


「……いや、ダメだよ?」


ひくり、と頬を引きつらせるじゅうまんだの言葉は軽く聞き流した







「ところでじゅうまんだちゃん」

「ん?」

「じゅうまんだちゃんはどんな服がいいの?」


出店が多く、漂ってくる匂いにふらふらしているじゅうまんだの首を掴んでいると、眉毛が聞いてきた

確かに人によって服などの趣味は違うだろう。それはじゅうまんだだって例外では


「えー…じゃあ長袖?」


例外だった


そのあと「でも、なんでもいいや」と言いながらまた食べ物に視線を向ける馬鹿に、あの眉毛ですら苦笑いを浮かべる

今のこいつにどんなものを渡しても、"服"と呼ばれるものなら素直に受けとるだろう


…さすが、色気より食い気


期待通りのじゅうまんだに無言で頷いてしまった(その間でも伸ばす右手を緩めることはない)(…だから食い物のとこに行こうとすんじゃねぇ!)


「じゃあおれに任せて!」


しっかりと選んであげる!


握りこぶしを作りながら勢いよくそう言った眉毛は、こちらの返事を聞かずに考え始めた

まだ目的の店には着いていないが、とりあえず考えることだけはしているのだろう


それは別に構わない

しかし、何故こいつは考えるだけなのにこうも気持ちの悪い顔をしているのか


疑問を口にする前に答えがわかった。ていうかこいつの口からだだ漏れだった





「長袖がいいって言ってたけど、まぁそこは我慢してもらって。やっぱり可愛くするにはある程度の露出が必要だもんな。じゅうまんだちゃんの肌は真っ白ってわけじゃないけど、それでも健康的で女の子!って感じがするし

それにいつもは服で隠れてるけど体つきも大人になりつつあるし、胸はまだ成長中って感じだからな…その分お腹を出すか。良いクビレがあるから」





「………………」


ドン引きだ

もう一度言おう、ドン引きだ


テンションが上がっているのかどうか知らないが、考えが口から出ているのに気づいていないらしい

正直言ってこの物質に関わり合いたくなかったが、こちらに害があるのだから仕方がない


「じゅうまんだ」

「?なあに…わっ」

「ちょっと下がってろ」


そんでなるべくあれを見るな、目が腐る


おれが殺らなきゃ誰が殺る、それぐらいの覚悟で殴りにいった


つーか、おれは今からあれを触りに行くのか?

…………マジで殺虫剤が欲しい。もしくは軍手





周りに人だかりが出来るのはわかりきっていたが…まぁこの暴れようじゃ仕方ねぇな











「………何故に喧嘩が始まる?」


これは止めた方がいいのだろうか、ていうか私に止められるのだろうか、いや無理だ


目の前の喧嘩に口をぽかんと開けて固まる彼女は、先程下がるように言われたときに渡されたものをへと視線を移した



これを渡した男が悪いのか

それとも喧嘩の原因を作った男が悪いのか

はたまた喧嘩が起こると予想ができたのに、このメンバーを買い物行かせた女が悪いのか




全員に非はあるだろうが


「すいませーん、5000ベリーで買えるだけくださぁい!」


服のお金だと言われていたのにも関わらず、食欲に負けてしまった彼女が一番悪いのだろう





「んー、おいしっ!」

「テメェェエ!その大量の食い物…ッ!!おま、まさか…!?」

「みんなの分もあるよ」

「そういう問題じゃねぇ…!!」





馬耳東風
【ばじとうふう】
他人の意見や批評を聞き流して気にとめないこと



「いいか、あと500ベリーしかねぇ」

「あぁ」

「しかし服の一着もねぇとなるとおれらは殺される」

「…あぁ」

「そんな大袈裟なぁー」

「……じゅうまんだは多分、精神的攻撃をねちねちされんぞ」

「!?」


つまりおれらの出した答えは





「お、お客様…さすがに三着の服を500ベリーでは…」

「「うるせぇ、殺すぞ、まけろ」」

「ひぃ!」

「…あ、はは、は…すいまっせーん…」


うし、男店員で助かった







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サガノさんリクエスト『連載主でゾロとサンジ』でした

…いろいろと文句言われてしまいそうです。しかも夢主との絡み少なっ!

四字熟語の方はもう気にしない方向でお願いします。もう意味とあうお話、書けないです…!難しい!


完成が大変遅れてしまいましたが、どうぞ受け取ってください!リクエスト、ありがとうございました!