「お前、子供なんていつ作ったんだ」
「えへ、ちょいと昔に」
「……まぁ、それはいい。それはいいが……
……オシメの一つも替えられないのは父親としてどうかと思うぞ」
「それは言わねぇ約束でお願いしますぅぅう…!」
「父親失格なんてこと、わかってるんだから!うわぁぁん!」と泣き叫びながらと両手で顔を覆うリダム。横では相変わらず無表情で…それでもどことなく呆れた雰囲気を出しているミホークがいた
そんな二人の目の前には、なんとも不格好なオムツをした赤ん坊が一人、不愉快そうにお尻に巻かれたそれを触っている
「でもでも!パパちゃんに替えてもらってアルトは嬉しいもんな!」
「むぶぅ」
「ほら!」
「……物凄く嫌そうにしてるのはおれの気のせいか?」
「ごめんよアルトー!!」
大の大人が赤ん坊に泣きつく姿はひどく滑稽である
「そもそも母親はどうしたんだ」とミホークが聞くも、リダムの方は聞こえていないのか、それともわざと無視をしているのかわからないがその質問に答えることはなかった
付き合いが浅くないミホークは、彼の微妙な雰囲気を読み取りその質問を繰り返すことはせず、アルトに視線を向ける
アルトはオムツの不快感に我慢ができないようで、今にも泣き出しそうだ
「……おい、また泣くぞ」
「アルトちゃーん、笑って笑ってぇー!ほーら、ミホークおじちゃんでちゅよー」
「巻き込むな、そこの気持ち悪いの」
目の前の間抜けな金髪頭を叩く
パァン!と思いの外大きい音を響かせてしまったため、その音に驚いたアルトは溜めていた涙を勢いよくこぼしながら盛大に泣き叫ぶ
オムツを替えることもできない男二人、というかリダムは焦るわけで
「わぁあぁああん!!」
「おいぃい!ミホークくん何やっちゃってんの!?アルト泣いちゃったじゃんか!」
「見ればわかる」
「……じゃなくて!どうにかしろよ!!こうなったアルトは泣き止まないんだからな!」
「…はぁ、仕方ない」
「仕方ないだと!?お前が泣かせたんだ、ろ…ぅ………が」
「…うっ、ひっ……う?」
「………………」
「泣き止んだぞ」
「………………」
「ぅ…あうばっ!」
「笑ったぞ」
「………………」
「……………おい、何固まってるんだ」
お前のせいだ、と騒ぐリダムにしぶしぶミホークはアルトを抱き上げる
己の知識で唯一赤ん坊に使えるであろうその行為はアルトに抜群だったようで、背中を優しく叩いてやれば泣き止むどころか笑顔咲かせたのだった
それの光景にショックを受けたリダムはまるで岩のように固まる
さて、どうしたものか
そうため息をつきながら思っていると玄関のドアが乱暴に叩かれた。それもしつこいまでに
「おい、客が来たようだが」
「…………………」
「…おい」
「…………………」
「…………はぁ」
微動だにしないリダム。昔からめんどくさいこの男に頭を悩ませながら代わりにドアに手をかけた
開けるとそこには二人の男が、目を丸くして固まっていた
「なんのようだ」
「「………………」」
「家主は今馬鹿みたいに動かないから無駄だぞ」
「「………………」」
「……………おい、聞いているのか」
「「………………」」
「…………………」
いったい何がなんだというのだ、どいつもこいつも
声をかけても返事どころか反応も見せない男共にまたため息が出る
反応を示さないそいつらの代わりに、ミホークの腕の中にいるアルトだけが元気よく返事をした
「あぶっ!」
「……貴様は父親のようになるんじゃないぞ」
「う?」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ミホさんのキャラがつかめませーん(^p^)
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