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〈マイル視点〉


違うんだよ、その、ね?おれだってわざとじゃないんだ

今年からアルトがいないのに、いつものように作っちゃったんだよ

だから、いやがらせとかそんなんじゃないんだ





「………いや、つーか、アルトがいてもこの量はおかしいだろ」

「ご、ごめんよぉぉぉおお…ッ!」


呆れながら頭を掻くダンや、その後ろで口を大きく開けて固まっている三人に申し訳なくなってくる


本日、2月14日

世間一般では今日をバレンタインデーと言う


なので、おれを含めた"女性から義理チョコすら貰えないかわいそうな男たち"にチョコレートケーキを作ったのだが


「メカ」

「……はい、どうぞ」

「…1メートル、68センチ」


………少し大きく作りすぎてしまった((((少し?))))(……とてつもなく大きく、デス)


「…うぅ、許してくれよ。

だ、だいたいバレンタインを"チョコを食べるデー"ってアルトに偽って毎年豪華なの作ってたじゃんか!」

「開き直ってんじゃねぇ阿呆!アルトがいてもこの量は多いって言ってんだろうが!」

「ぶびばべん…」


ぐみょん、と頬が引き伸ばされる

いつもだったらこの行為に怒って軽く殴ったりするが…今回は完全におれが悪いので大人しく引っ張られた


「ダンさんがマイルさんに勝ってる…信じられねぇ」

「おい、ルー。それはどういう意味だ」

「え、あ、いや、そんな…ダンさんがやられキャラだなんて思ってねぇッスよ!!」

「そうか、後で尻100連打な」


ようやく頬が解放され、熱を持ったそこを撫でる



ダンはルーに軽く蹴りを入れ、メカから借りたメジャー置き、食べる用意を始めた

その行動におれは驚く




「…………え?捨てないで食べてくれるの?」

「まぁ、捨てたら勿体ねぇし。今日1日使えば食いきれるだろ」

「……ダン」

「「無理無理無理無理!!」」

「1日は流石に…チョコじゃなくて生クリームだったらいけますが」

「「そっちでも無理!!」」





なんか、普通にうれしい

こんなケーキだけど一生懸命作ったのは事実だから、捨てないで食べてもらえると思うと頬が緩む


「ほら、お前が原因なんだからしっかり食えよ」

「あぁ、もちろん!」

「では、おれも頂きます」

「うん、食べて」

「…お、れも食べます」

「…少しくらいなら」

「ふふ、二人もありがと」





男だらけのむさ苦しいバレンタインだが……まぁ、こんなのも悪くはないかな





バレンタイン+男のみ

=友チョコならぬ家族チョコってことで



(…って、思ってたより数倍甘ッ!)(ごめん、アルト基準で作ったから…)(んでも、まぁ、悪くねぇな)(ですね)(ありがとう!)


(……今、心の底からあの二人がすげぇと思った)(…ぐすっ、ハンバーグ食いたい)






______

ちなみに、なんで偽ってたか

親バカ親父の提案です