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「「「ハッピーニューイヤー!」」」

「アンド、おれおめでとう!」

「自分で言うなっつーの!」

「ギャハハハハ!」






年も変わり皆で酒を飲み合う

エースの誕生日でもある今日は本当にめでたい日だ


「さーマルコ!遠慮しねぇで飲むんだぞ!」

「お前らは少し遠慮しとけ」


新年早々お堅いマルコ

わかっちゃいたが、少しふてくされる


……やれやれ、こんなときまで真面目なんだから

一体こいつはどんなときにハメを外すんだろうねぇ


そう思いながら手の酒を一気に飲み干す(かーっ!ウマイ!)


「ホントにほどほどにしとけよい」

「わーってますよ!一番隊隊チョーさん!」


空のコップにまた酒を注ぎ、その流れでマルコの方にも注ぐ(まだ入ってたけど、しーらね!)

横で入れるな、と騒ぐマルコだが……テメェ化け物並みに飲めるからいいじゃねぇか!

おれが二日酔いで苦しんでる日に同じ量飲んだお前が元気だったの、覚えてんだからな!


もう半ばヤケになりながらギリギリまで注いでやった


「おま…入れすぎだろ!」

「おれのき・も・ち!」

「…キショイ」


言葉のナイフをおれに突き刺したマルコはゆっくりと酒を口に持っていく

そして、こぼすことなく酒に口をつけたとき






「マルコ隊長っ!」

「!」

「ん?」


女の子の声がマルコを呼んだ

見るとそこにはツマミの皿とお酒を持っているエースと同い年ぐらいの女の子


「あ、サッチ隊長もどうも!」

「おう!飲んでっか?」

「えっと、少し!お酒弱いんで」


そういう彼女の頬は確かに少し赤い

…赤い、が


「あ、あのですね?これ、ツマミなんですけどよかったら…その、一緒に……な、んて…」


赤いが、酒のせいだけではないだろう

おれの第六感(もとい、恋愛レーダー)がそう言っている


……ははーん、お相手は横のバナナ野郎ってことかな


そう思い、微笑ましい彼女を少しニヤニヤしながら見てたら、横からバシャバシャと不可解な音がしてきた


見ると、そこには



…………マルコがコップに口をつけ、仰ぎながら酒を溢していた(どういう状況!?)


その様子におれら二人は勿論驚く

全ての酒を溢しきったマルコにようやく動けた彼女は、自分の服の袖を使って酒で汚れたマルコの服を拭こうするが


ビクッ!


「た、隊長…?」

「マルコ…?」



「あ、う…や………その…………







……………用事思い出したよい!!」


そうばかでかい声で叫んだマルコは何処かへ走り去っていってしまった

残されたおれらはポカーンとする


その数秒後








「…ブフッ!」


おれは吹き出した


「ぎゃーはっはっはっはっは!あ、ありえねぇー!」

「サ、サッチ隊長?」

「あ、あの…あ、のマ…ブハハハハ!」


完全にツボッたおれは腹を抱えながらうずくまる

マルコが立ち去る瞬間チラリとあいつの顔が見えた


そこには、夜の暗さでもわかるぐらい真っ赤に染まったマルコの顔


なんだよ、こいつら両想いじゃん

……いや、それよりも



「あのバナナ…どんな乙女だー!ぎゃはははは!」

「バ、バナ…?」


我が友の意外な一面

これを笑わずにいられるものか





爆笑し続けるおれのもとにマルコの飛び蹴りが入るのは、あと四秒後