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「うわぁあ!」

「あ、わりぃ」



「いただきまーぶふッ!!」

「あ、わりぃ」



「すぴー、すぴー…すブッ!!」

「あ、わりぃ」



「見て見てー!大物だよ゛ッ!?」

「あ、わりぃ」








………私、嫌がらせされてる

ゾロにいじめられてる




ただ歩いてるだけなのに、足を引っ掛けられるし(足が長いってのを自慢したいのか!)

甲板でサンジくん特製の美味しいケーキを食べようとしたら、ぶつかってくるし(顔中クリーム塗れだよ!)

寝てるところにおもいっきり踏んでくるし(内臓飛び出るわ!)

おっきい魚釣ってよろこんでいるところにまた足を引っ掛けられたし(おかげで魚が海へリバース!)



………え?わざと??

わざとなの?


私を泣かせたいの?


「ナミい゛ぃい…」

「はいはい、泣かないの」


ナミもいじめるのか…


女部屋で愚痴る

しかし話し相手のナミは日誌をつけるのに忙しいらしい

私の扱いがさっきから雑だ


ひどい…こんなに悩んでるのにさぁ…


ごろごろ転がりながらふて腐れる


「はぁあ…やっぱ、嫌われてんのかなぁ…」


だってもう、偶然だと思えないし

それにただの事故ならもっと誠意を持って謝るよね




………あ、なんだか泣けてきた


なんて思いながら俯せにな落ち込む

するとナミに襟を掴まれた(ぐえっ)


わ、わぁ…ナミ

力持ちだね…


目の前には腰に手を当て、半ばキレ気味の航海士様


「まったく、うじうじうじうじ…欝陶しいのよ!」

「は、はひ…」

「だいたいねぇ、不器用な男の気持ちを考えてやんなさいって!」

「は、はひ…?」

「ほら、さっさと聞いてきなさい!」

「は、はひー!?」


ぽーい!と女部屋からほうり出された(そのとき、頭を強打した)(めっちゃ痛いッス)


……しかたない、聞くか


聞かないとナミに怒られるだろうし、なによりゾロが自分をどう思っているかが気になる

頭を摩りながら(あ、コブあるんじゃない?これ)、そこらで昼寝をしているであろう毬藻のもとへ向かった






「ゾロ!」

「ぐえっ………んだよ」


やっぱり寝ていたゾロ

日頃の仕返しに腹に乗ってやった(へっ!)


「単刀直入に聞きます」

「あ?」

「私のこと、嫌いでしょ」

「……は!?」

「私のこと嫌いでしょ!」

「二回言うな!」

「むぶぅ」


むにい、と頬を掴まれてしまった

まともな言葉を喋れなくなったが、それでも行動で訴える


「む!む!」

「な、なんだよっ」

「むぱっ!」

「………わからん」


じゃあ手を離せ!!


ゾロの手を無理矢理引きはがし、先程と同じ質問をした

するとゾロは、なぜか視線を泳がした


………図星か


予想はしてたけど、やっぱり落ち込む

これ以上その事実を突き付けられたくなくて、彼のお腹から降りようとした



そしたら


「ま、待てって!」


引き止められた


まさか引き止められるとは思ってもいなかったので、驚いてお腹の上で固まってしまった


「違う、違うんだ」

「?」

「だからー、その…」

「…………ゾロ?」

「…っだぁあー!くそッ!!」

「!!」


ガシィ!と肩を掴まれてしまい、体がびくついた

ますますわからない状況に、なにもできない


「嫌いじゃねぇ」

「え」

「ぶっちゃけると、その……逆だ」

「へ」

「…〜〜ッ…ッだから!嫌いの反対だって言ってんだろ!?」


顔を真っ赤にさせて怒鳴るゾロ


その姿に私はますます混乱した



嫌い、の

逆……


嫌いの反対


逆、

反対、

逆、

反対、

逆、

反対、

逆、

反対……は、













「…ゾロ」

「……あぁ?」

「歯、食いしばって」

「は!?な、なんでだよ!」

「大丈夫、これでちゃらにしてあげるから」

「は!?ちょ、ま!」





いっぺん殴らせろ



好きな子をいじめる、なんて

ガキかあんたは!


こっちは嫌われてると思ってて悲しかったんだぞ!



とりあえず、このまま喜ばせるのもムカつくから






返事はこの一発のあとでね